27.08.サラとマリア

486: 名無しさん :2019/04/17(水) 01:23:54 ID:???
「………あ、れ………ここは、どこ………?」
見知らぬ部屋のベッドの上で、私は目覚めた。
………頭が、割れるように痛い。確かあの時私は、敵にやられて……その後どうなったのか、記憶がはっきりしない。

「うふふふふ……おはよ。……やぁっと目が覚めたのねぇ~。ずいぶん長い間眠ってたのよ、あなた……」

見知らぬ部屋の中には窓一つなく、古びたテーブルの上の燭台が唯一の照明。
その横の椅子に、怪しい雰囲気の女性が腰かけていた。
自身の枝毛やネイルの艶などをぼんやりと気に掛けながら、気だるそうに脚を組んでいる。
ピンク色のふわふわした巻き毛、黒地に紫や赤の奇怪な装飾が施されたレザードレス。特に目を引くのは……

「貴女………誰?」
「あたし~?あたしは、あなたのぉ~。
祖母の~、友達の~、妹の~、婚約者の~、兄の~、行きつけの店の~、常連客の~……天使でぇーす!」
「………絶対嘘だわ」
……背中から生えている、コウモリ羽。ついでにお尻からは尻尾が生えていて、その先端は矢じり型。
人間でないのは間違いない。どう見ても悪魔系である。

「うふふふ……まだ記憶がはっきりしない感じかしら?大丈夫?自分のお名前、ちゃんと言える?」
「……サラ・クルーエル・アモット」

「職業は?」
「国際警察庁の、時空犯罪対策室に所属……通称『時空刑事』……の、見習い」

「見習い、ね………年齢は?3サイズは?彼氏いる?ていうか処女?」
「……いい加減にして。何なのよ、さっきから」

「これは大事な話よ。貴方の記憶が、どこまではっきりしているか、確かめる必要があるの。
ここに来る前、何をしてたか……覚えてる限りの事、話してもらえる?」

「………わかったわよ。……あの時、私は………」

──────

……時空犯罪組織のアジトの情報を掴んだ私は……先輩の応援を待たず、単独で踏み込んだ。

だけど……それは、敵の罠だった。

待ち伏せされ捕らえられた私は、仲間の居場所を聞き出すため、激しい拷問を受けた……

(バリバリバリ………ズドドドドッ!!)
「っ………っぐああああああああぁぁぁあぁっ……!!」

「ヒッヒッヒッヒィ………どうじゃね、お嬢ちゃん。お友達のこと、話してくれる気になったかねェ?」
「はぁっ………はぁっ………はぁっ………だ、れがっ……言う、もんですか……っく、ぅあああああああんっ!!」

下着姿で電気椅子に拘束され、全身至る所に……胸や股間にまで電極を取り付けられた。
何時間も何日も、眠る事さえ許されず、苛烈極まる電流責めが続く。

「うふふふふ……だめだめー?もーちょい緩めてあげなきゃ……オタノシミの前に、壊れちゃうじゃなぁい?」
「ケケケ!そりゃぁもったいねえなぁ……あと4~5年もすりゃ、超絶最高な極上ボディに育つだろうによぉ!」
「わかっとるわかっとる……こいつはほんのお遊びじゃ。
お嬢ちゃんは『本命』を呼び寄せるための、大事な『エサ』じゃからなぁ……ヒッヒッヒッヒィ………!!」

時空に名だたる凶悪犯罪者達が一堂に会し、鎖に繋がれた私をとり囲んで嘲笑う。
……私は、無力だった。
両親を犯罪者に殺され、悪を滅するため時空刑事を志し、これまで死に物狂いで鍛錬を続けてきたというのに……

「クスクスクス……次はあちしのばーん。イき狂っちゃう前に、早く来るといいねぇ。『白銀の騎士』様が……」
「ケケッ!…なぁにが『時空刑事』だ。俺様が5秒でスクラップにしてやるよ……ヒャーーッヒャッヒャッヒャ!!」

「はぁっ……はぁっ……………さん……来ちゃ、だめです……これは、罠……っぎひああああぁぁあああああああ!!」

──────

「私は……どのくらい眠っていたの……あれから、何日くらい経った……?」
……頭がふらふらして、全身が気だるかった。

「……だいぶ記憶が飛んでるみたいね。ま、そのうち元に戻ると思うけど………ふふふふ」
ピンク色の巻き毛の女が、意味ありげな笑みを浮かべる。

……ゆらゆらと揺らめく蝋燭の光に照らされながら、私は少しずつ、記憶の糸を手繰っていく……

488: >>486から :2019/04/20(土) 12:49:49 ID:???
(ぐちゅっ………ずぶっ……!!)
「んっ……っぅああああああぁぁっ!!……っぎあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!」
「クスクスクス……女の子に犯されるのは初めて?
あちしの最凶最悪トゲトゲ猛毒イモムシちんぽ、すっごいでしょ。
身体の中、ぜ~んぶ溶かされちゃうみたいで……ひひひ」

………あの時私を捕らえた悪党達は、どいつもこいつも最低の下衆ばかりだったけど……この女は、特にタチが悪かった。
裏の通り名は「蟲使い」。名前は、何て言ったか……

「でも、大丈夫……もうちょいして全身に毒が回ったら、痛いのがぜ~んぶ気持ちよくなるから……んっ……ちゅっ」
「はぁっ………はぁっ………こ、の……クソおんっ………あ、っぐ、んむっ………!……」

(……がりっ!!)
「んぎゃっ!!………こ、いつっ……あっしの舌、噛みやがっへ……!!」
「ぺっ……ぜぇっ……はぁっ………いい加減離れろっての……虫臭い」

(じゅぷっ!!……ぐちゅっ………どぷっ)
股間に突き立てられた女の毒虫ペニスが、勢いよく引き抜かれる。
「それ」はどうやら女とは別個の意志を持つらしく、毒々しい紫、黄緑、黒、白、そして赤……様々な色の液体を垂れ流しながら、不気味に蠢いていた。

「キキィッ……!」
甲高い金切り声と粘着質な音が、耳の奥にまでへばりついて来る。
異界の技術で、こういったおぞましい生体改造を施す輩は何人かいたが……ここまで醜悪なセンスの持ち主は初めてだ。

「てんめぇ……まだ自分の立場がわかってねーなぁ?」
表情に怒りをにじませながら、女が再び近付いて来る。
右手の爪には、様々な種類の蟲から調合されたという猛毒が仕込まれているという。
左腕は、生体改造によって甲虫のような異形の装甲を纏った剛腕へと変わる。
軽く一薙ぎするだけで、後方のコンクリート壁に巨大な傷痕が刻まれた……

「………!……」
「なに?今更ビビってんの?……ダッサ」
(……ずぶっ!!)
「ぎゃっ!!……っう……!!」

私は改めて思い知らされる。
どんなに鍛えても、普通の人間の力では奴らには敵わない。奴らに立ち向かうには……

「人質なんてめんどくせーのはやめだ……この場でブッ殺してやr」
「来たぞーー!!奴だ!!『時空刑事』だ!!」

……力が、必要だ。圧倒的で、絶対的な……正義の……

「うちの期待の新人を、随分可愛がってくれたそうじゃない……この借り、百万倍にして返してやんよっ!!」

「ちっ!!生体改造兵どもを、あっという間に伸しちまうとはな……」
「黒髪ショートに丸メガネの日系女、パーカーの上に白衣、男みてえに平べったい胸……
間違いねえ。奴が『マリア・マーシレス・オールドフェンス』……又の名を」

「最後のは余計だボケーーっ!!」
「「「グワーーーッ!!」」」

「…マリア先輩……!」
「ふん……思ったより早かったねぇ。
んじゃ、まずはあの先輩ちゃんからブチ殺してやるよ。アンタの目の前でねぇ……ヒヒヒッ」

489: 名無しさん :2019/04/21(日) 12:00:13 ID:???
「マリア先輩!来ちゃダメです!逃げてください!これは、罠で……んむぐううぅうぅぅッ!?」

「はーい、いい子だからちょーーっと黙ってようねー」

必死に何かを伝えようとしたサラの口を、蟲女の毒虫ペニスが塞ぐ。
サラは先ほどと同じように必死に噛んで抵抗するが、毒虫ペニスは舌よりもかなり頑強なようで、まるで動じていない。
むしろ、必死の抵抗をちょっと激しいフェラくらいにしか感じなかった毒虫ペニスは、一気にサラの口の中に精を吐き出す。


どびゅるッ!! びゅるびゅるぼびゅびびゅ!! ビュルルルッ!!

「んぐむうぅうぅぅぅッ!? んぐおぉ、おぐぅぅ!!」

毒虫ペニスから出てきた精液は、異様に粘ついていて……それが口中に広がることで、毒虫ペニスが引き抜かれた後も、サラの口を塞ぐ猿ぐつわの役割を果たしていた。

「サラ!!!てめぇ、この私を目の前にしても新人イビリを続けるたぁ……いい度胸じゃない!」

「おっと、テメェの相手は俺たちだー!」
「相手は女一人だー!やっちまえーー!」
「変身する隙を与えるなー!」


「ふん、隙を与えるな、ね……甘いっつーの!」


「「「またしてもグワーーーッ!!」」」

怒りのままに蟲女へと向かうマリアに立ち塞がる凶悪犯たち。だがマリアは生身のまま、拳と蹴りで彼らをあっさりと一蹴した。
大立ち回りを演じたというのに、その息は全く乱れていない。


「あー気持ち良かった……って、もう男衆倒したの?せっかちさんだなー」

「タイム・イズ・マネー……日本の諺よ。アンタら如きに時間かけてらんないの。早く新人を医務室に連れてかなきゃならないからね」

「キシシ……言っとくけど、あちしをその辺に転がってるのと一緒と思わない方がいいよー?」

「……その悪趣味な姿……確かに雑魚じゃなさそうね……それじゃあ、本気でいくわよ……『閃甲』!!」

マリアがブレスレットを握りしめて、変身ワードを叫ぶと、彼女の体が光に包まれる。そして……


「白銀の騎士、クレラッパー……見!参!」

パーカーと白衣のさらに上に、銀のプロテクター。そして、バイザー型のヘルメットを装着した……白銀の騎士が現れた。

女時空刑事マリア・マーシレス・オールドフェンスが<閃甲>に要する時間はわずか1ミリ秒に過ぎない。
ではその原理を説明しよう!時空間に存在する未知の物質シャイニング・シルバー・エネルギーが超時空バイク「アージェント・グランス」によって増幅され、コンバットアーマーへ変換。
わずか1ミリ秒で<閃甲>を完了するのだ!


「白銀の騎士……キシシシ!!『ここで』変身しちゃったねーー!これでやっと、シャイニング・シルバー・エネルギーの源への道が……」

「何を企んでるか知らないけど……くだらない罠ごと、ぶっ飛ばしてやんよ!」

490: 名無しさん :2019/04/25(木) 23:58:32 ID:???
「シルバー・プラズマソード!うおおぉおおりゃあああ!!」

「キヒヒ……!男みたいな叫び声だねぇ、いっさましい!」

マリアと蟲女の戦いが始まった。マリアの繰り出す剣を異形の剛腕で防ぎながら、蟲女はケタケタと挑発する。

「だーれが男みてーなまな板無乳女ですってぇええ!?プラズマパニッシュメント!!」

「えー……誰もそこまで言ってないのに……ぶげ!」


大きく跳躍しながらシルバー・プラズマソードを斬り上げる技で、蟲女の固い防御を強引に崩すマリア。


「大口叩いてた割には大したことなかったわね……!さっさとサラを助けさせてもらうわ!ライトニングシューター!!」

跳躍で空中に上がったマリアは銃を素早く取り出し、防御の崩れた蟲女に連続でビームを放つ。

「キシシ……甘いよ!」

蟲女の背中から突然生えた毒々しい色の翼が、マリアの撃ったビームを防ぐ。

「ならフルパワーよ!!シルバー・プラズマソード・純粋起動!」

しかし、マリアは空中から落下する勢いを利用して、蟲女の翼の盾をこれまた力押しで破りにかかる。

「技名は特に考えてない斬りぃ!!」

「んああぁああああん!」

頭身が大きく伸びた剣で翼の防御を打ち破ったマリア。その勢いのまま、シルバー・プラズマソードは蟲女の体を大きく吹き飛ばした。

「ま、ざっとこんなもんよ。それじゃあ、さっさと逮捕してやるわ」

余裕綽々で蟲女へと近づいて行くマリア。だが、蟲女は追い詰められているというのに、口元から血を流しながらも不敵な笑みを浮かべる。

「……白銀の騎士様がめっちゃくちゃ異次元のエネルギーを使ってくれたし……そろそろ、『開く』かな?」

蟲女が意味深にそう呟いた瞬間……周りの景色が……否、時空が歪んだ。

491: 名無しさん :2019/04/26(金) 23:28:28 ID:???
「くっ……なんだ、これ……の空間が、丸ごと歪んでる……!?」
「くひひひひ……見たまんまだよん。空間の壁を壊して、この場を一時的に異次元と繋げたの」

周囲が禍々しい気配に満ち、空が血のように赤く染まっていく。
異様な雰囲気に戸惑うマリアを心底可笑しそうに嘲笑いながら、蟲女は平然と立ち上がる。

「なんだってっ!?そんな事が……」
「出来るんだなぁ、それが……半分は、アンタのせいだよ?『白銀の騎士』様……キヒヒヒヒッ!」

説明しよう!
時空刑事クレラッパーの持つ『シャイニング・シルバーエネルギー』に
闇の力『ダークネス・プラチナ・エネルギー』が激しくぶつかり合うと、
次元を隔てる壁が破壊されて異次元世界への扉『ウェイ・ゲート』が開かれるのだ!

「行先は『魔蟲空間』……あっしのホームグラウンド」
蟲女の両腕の異形が変形・拡大し、全身を覆っていく。
「ここではあっしの蟲力が、3倍にパワーアップすんのよん♥」
(ガキィンッ!!)
「ぐっ……!!」
目にも止まらぬ速度で繰り出されたアッパーカット気味の一撃を、両腕を交差させて防ぐマリア。
だが重い打撃はマリアの身体を十数センチも浮かび上がらせ、無敵のはずの白銀のプロテクターに亀裂を走らせる。
この場所そのものが、時空刑事を葬り去るための大掛かりな罠であった事に、マリアは初めて気づかされた。

「んじゃ、さっそく第2ラウンドと行きますか……ねっ!!」
全身に黒い装甲を纏った蟲女が、さながら重戦車のごとく突進してくる。

「上等っ……こっちももう容赦しないわ!ぶった斬ってやる!!」
対するマリアも、シルバープラズマソードを構えて応戦するが………

(………ドガッ!!…バキィィィンッ!!)
「が、はっ……!!」
周囲に衝撃波を巻き起こす程の驚異的な加速度で、禍々しいスパイクの付いた蟲女の肩アーマーが叩きつけられる。
白銀の騎士クレラッパーの胸部装甲は、硝子細工のように粉々に砕け散り……

「……っぐぁぁぁぁああああああっ!!」
「むぐーっ!!(マリアさーーんっ!!)」
(……ドガァッ!!)
大きく吹き飛ばされたマリアの身体は、闇色に変色した地面の上を二度三度とバウンドして転がる。
ざっくりと抉られた薄い胸板からは、鮮血がどくどくと流れ落ちていた。

492: 名無しさん :2019/04/27(土) 11:37:37 ID:???
「むぐっ!!んんんー!」(マリアさん!マリアさーーんっ!!)
蟲の粘液を口に注ぎ込まれて声を出せないサラが、声にならない声を上げる。

「まさか、コンバットアーマーを破壊するなんて……なんなんだ、そのアーマーは…!」
出血と傷の痛みに耐えながら、よろよろと立ち上がるマリア。
その様を見下ろす蟲女の全身は、漆黒のアーマーに覆われていた。その姿はまるで『白銀の騎士』クレラッパーを、姿も、心までも、黒く染め上げたかのようであった。

「ふっひっひ……コイツはねぇ。あちしの飼ってる蟲『ミミック・バグ』……
目に見えないくらいちっちゃな蟲の集合体。どんな物でもマネする性質があるのよん」

(……ビキビキビキッ……!)
その様を見下ろしている間にも、蟲女の体を覆う鎧は更に禍々しく変形していく。
「ほ~ら、この通り。虫っぽい事はだいたいできるぞ!って感じ?」
カブトの角、カマキリのカマ、サソリの毒針、巨大な蝶の翅、etc……その姿はさながら、様々な虫を合成させたキメラであった。

「しかもこの子たちは『ジェット・ブラック・エネルギー』をたっぷり喰わせて育てた特別製で、本物以上のチカラを発揮する。
ざっとパワーは2倍、スピードとキック力は6倍ってところかしらん?
魔蟲空間の効果で、更に倍率ドン!」
「え、ダークプラチナなんとかじゃなくて?」
「ふっひっひ……そんな細かいこと、気にしてる余裕はあるのかなぁ?」
「っ!!」

再びマリアを急襲する謎の蟲女。そのスピードは、先程の言葉通り、白銀の騎士クレラッパーを遥かに凌駕していた。

「ライトニングシューター……」
「ふひひひっ!トロいトロい!あくびが出ちゃうぜ騎士子ちゃんよぉ!!」
マリアがビームガンを抜き放った時には、既に敵の黒い仮面が目の前にあった。

「食べるところ少なそうだけど……いっただっきまーす!リオックバイト!」
(ビキッ………ガシュッ!!…ぶしゅっ!!)
「し、まっ………うああぁぁぁぁぁああっ!!」
元々装甲の薄かったマリアの首元に、黒い牙が突き立てられる。
激しい痛みに思わず絶叫するマリア。血こそ派手に噴き出したが……致命傷、ではない。
悲鳴をじっくりと聞くために、蟲女はあえて急所を外して噛み付いたのだ。

「ふぁらのー……ふぃらふぁふぃふぁーふ!(ギラファシザーズ)」
(ぎちっ………ミシミシミシミシ!!ベキン!!)
「あ、ぐ………げほっ………は、なせ………んぐあぁあぁんっ!!」
両者の体格差から、そのまま抱え上げるようにして拘束されたマリア。
良く鍛えられていながらもほっそりとしたスレンダーなウェストを、巨大な鋏が左右から締め上げる。
その圧倒的な力の前に、白銀のプロテクターはもはや防具としての意味をなしていなかった。
持ち主と同じく、ただ悲鳴のような音を立てながら壊れていくのみ。

「ふぁんふぃすふぁっはー!(マンティスカッター)」
(ザシュッ!!ザクッ!! ドスッ!!)
「んう、ぐっ……あ、んっ!!……う、くっ………!」
逃げ場のない状況で、マリアは凶悪な攻撃に一方的にさらされてしまう。
プロテクターに覆われていた箇所も、そうでない所も、二対の鎌に余すところなく斬り裂かれ、
それでも悲鳴を堪えながら反撃のチャンスをうかがうが……

「へほっへー、ふほーひほん(スコーピオン)……テイルッ!……っと♪」
(……ずぶっ!!………ずちゅっ ずちゅっ ずちゅっ……ぶちっ!)
「い、いかげんに…………んぐ、あがあっ!?………ぅ……」

サソリの毒針に背中を突き刺され、大量の毒液を注ぎ込まれ……ついに、マリアの両腕はだらりと垂れ下がり、蟲女に完全に体を預けてしまった。

「っ………ぉ………」
首元の肉を喰い千切られ、牙地獄からようやく解放されても、マリアはぐったりと弛緩したまま動けない。


「さーて、新人ちゃん……宣言通り目の前で、憧れのセンパイをぶち殺された感想はどうかな?ひっひっひ……」
「っ……!!ぶはっ…!…う……嘘ッ……嘘よっ……マリアさぁぁーんっ!!」
蟲女は再びサラに近付くと、猿轡代わりの毒粘液を取り除いた。
悪夢のような光景に、思わず悲痛な叫び声を上げるサラ。

「ん~~……いいわ。極上の悲鳴、最高の絶望……そそるわぁ♥」
その様子を恍惚とした表情で見下ろしながら、サラの頬を伝う涙を、蟲女の長い舌が舐め上げた。

493: 名無しさん :2019/04/28(日) 02:11:59 ID:???
「それじゃあ、絶望の黒い気持ちで覆われたところで……もう一度犯してあげるよ、新人ちゃん?」

「ひっ……!?いやぁ……!」

「いっしっし……やっぱりレイプする時は、生意気に抵抗されるより泣き叫ばれた方が興奮するねぇ」

再びサラを犯そうとする蟲女。その時……

「サラ……!悪魔と相乗りする勇気……お前にあるか!?」

「え……?マリア、さん……?」

床につっぷしたままのマリアが、全身からドクドクと血を流しながらも、強い意思を感じる語気で叫ぶ。

「強すぎる力に……悪魔の誘惑に溺れずに、正義を貫き、悪を挫く覚悟が……お前にあるか!?答えろ!!」

真剣な表情で叫ぶマリアに気圧されたサラは……気がつけば、大声でマリアの問いかけに答えていた。

「……あります!凶悪犯に両親を殺された私の……悪を憎む気持ちは、決してなくなりません!!」

「サラ……本当は、悪を憎むだけじゃなくて、守るものを見つけて欲しかった……ちょっと早いけど……お前が、次のクレラッパーだ……!」

「次の、クレラッパー……?」

マリアの言っていることが理解できない様子のサラ。
それに対し、マリアは……意を決した顔で、虚空へ向けて叫ぶ。


「はぁ、はぁ……!悪魔女……いや、アージェント・グランス!
契約成立だ!私の魂を持っていけ……!けど、その代わり……力を貸せ!あの女をぶち殺す力を!!」

「マリアさん……さっきから、何を……?」

「キシシ……おかしくなっちゃったのかな?」

不明瞭なマリアの行動に、訝しげな顔を見せるサラと、愉快そうな表情をする蟲女。

だが、次の瞬間……


『も~、や~~~~っと決心してくれたのねぇ。長かったわぁ』


どこからか、謎めいた女の声がした。

494: 名無しさん :2019/04/29(月) 18:50:24 ID:4AHMU6b.
『それじゃあ契約通り……貴女の命と引き換えに、無限の力を与えるわね♪』

「う、ぐ……があぁああああああ!!!」

謎の声が響いた直後、マリアが絶叫し、その体から炎が迸る。だが、それと同時に……蟲女から受けたダメージによって動かなかったはずのマリアが、ゆっくりと立ち上がった。

「ま、マリアさん……!?」

「はぁ、はぁ……!なによ、こんなもんなの……!思ってたより、痛くない、わ……!」

全身を炎に包まれながらも、マリアは真っ直ぐに蟲女に視線を合わせる。

「なんかよく分からないけど……そんな雑なパワーアップ展開で、魔蟲空間内のあちしに勝てるわけが――――っ!?」

何が起こったのか、サラにも蟲女にも分からなかった。
ただ、気が付いた時には……蟲女の右肩から先が、力尽くで『引きちぎられて』いた。


「……あ、ぎぃいやあぁあああああああ!!?あ、あちしの、腕が……!」


一泊遅れて痛みに叫ぶ蟲女。それと同時に、マリアの右腕も炎に焼き尽くされる。

「っらああああぁぁぁぁっっ!!」

「ぶ、ぎゅ、がぁああああ!?」


右腕の次は左腕。腕の次は両足……蟲女の四肢は、あっという間に全て引きちぎられた。

「は……芋虫みたいね、アンタにお似合いだわ……!」


だが、それと同時に……否、それ以上のスピードで、マリアの全身は炎に巻かれ、徐々に灰になっていく。

「こ、の……!舐めんじゃねぇ!!あっしの生命力なら、この程度すぐ治……ぶっげええぇええええ!!!」

蜘蛛の能力で腕を増やそうとした蟲女だが、それを遥かに凌ぐスピードで、マリアはまだ辛うじて灰になっていない左腕で構えて突進し……蟲女の腹部を、一気にぶち抜いた。

そしてマリアはその勢いのまま、サラの近くに倒れ込む。

「マ、マリアさん!?マリアさぁあん!!」

「ぐ、ぅ……!いいか、サラ……アージェント・グランスは、ただの、ちょっと便利なバイクじゃない……あれは、悪魔の仮の姿だ……気をつけろ……もうどうしようもない、って時以外……安易に、頼るなよ……!」


「分からないです……何言ってるのか、全然分かんないですよ!死なないでください、マリアさん!私、まだまだマリアさんに、教えてもらわないといけないことが……!」

「……私が後継者と定めたお前に、そのうち悪魔が会いに来る……詳しいことは、そいつに聞け……今までたくさんの人が、あの悪魔と持ちつ持たれつ、クレラッパーとして戦い……最期は他の誰かに、力を受け継いできた……
忘れるな、サラ……大いなる力には、大いなる責任が、伴う……強さに、溺れるなよ……」

その言葉を最後に、マリアの体は炎に包まれ……後には、灰しか残らなかった。

「い、や……いやああぁあああああ!!!」

憧れの先輩の死。その際に言われた意味の分からないこと。混乱の境地に達したサラは、今までの拷問によるダメージも合わさって……絶叫した後、気を失った。


「う、ぷ……!」

一方、致命傷を負った蟲女は、死際に口から卵を吐き出した。その卵は、蟲女……ジェニファーの虫っぽい能力の切り札。

命が潰える瞬間に、子供を産み……自らを殺害した相手への復讐を、次の世代へと託す技。言ってしまえばピッ◯ロ大魔王のパクリである。
マリアは既に死んだようだが、クレラッパーの力がサラに引き継がれるというのを何となく理解したジェニファーは、サラを……時空刑事という組織を潰す為に、子孫を残すことにしたのだ。

「マムシは口から卵を産むっていうけど……あれ迷信なんだよね……まぁ『虫っぽい』から、あちしはできるんだけ……ど!」

そう言ってジェニファーの吐き出した卵は……ウェイ・ゲートの中に消えていった。

495: 名無しさん :2019/04/30(火) 18:21:28 ID:???
「へえ……気絶した後の事は、本当になんにも覚えてないの?
あれから何年も過ぎて、貴方が一人前の時空刑事になった事も?
悪い人達をいっぱい捕まえて、たくさん恨みを買って、リョナ世界に堕とされた事も……その後の事も」

あの時と同じ悪魔の声が、サラの耳元で囁く。
「アージェント・グランス」…マリアさんが最期に言っていた、白銀の騎士に力を与える、悪魔の化身……
「……『アージェ』でいいわよ♥」
……そいつが、後ろから無遠慮に抱きついて来た。振りほどこうとするが、身体に上手く力が入らない。
そのまま為す術なく、ベッドに押し倒されてしまう。

「ちょっと待ってよ……何年も、ってどういう事……リョナ世界?……一体、何を言って……」
蝋燭の光に照らし出された自分の身体は、いつのまにか……おおよそ5年か6年分くらい、成長している。
身に覚えのない傷痕も、そこかしこに刻まれている……サラは少しずつ、己の置かれている状況の異様さに気付き始めていた。

(くちゅっ……つぷ………さわさわ)
「ん、ぅっ………!?……な、にを………は、ぅんっ……!!」
「記憶を失っていようが、私との契約が無かったことにならないわよ。
既に貴女は、私の力の一部……『蘇生』を何回か使っている……んっ…」
アージェはサラの耳を軽く啄んで甘噛みし、下着越しに秘所を指でなぞる。
たったそれだけの軽い愛撫で、サラの全身は火が付いたように火照り、全身からどっと汗が噴き出した。
アージェの吐息、舌、指、唇……全てがサラの快楽をダイレクトに刺激し、一直線に絶頂へと導いていく。
振りほどけない。逆らえない。快楽に、抗えない。まるで魂の一部を掌握されているかのように。

「ん、むっっ………~~~~っ!!……はぁっ…………はぁっ…………あ…」
「次に貴女が命を落としたら……又は、誰かを蘇生したいと願ったら……
貴女の魂は、永遠にあたしの物になる。それだけは覚えておいて」

「そん、なの……知らないっ……放して、よっ……マリアさんを、返して……この、悪魔……!!」
「それは出来ないわ……彼女はあたしの物。そして、もうすぐ貴女も、ね……うふふ♥」
理性を総動員してどうにかベッドから抜け出したサラは、壁にもたれかかりながら、アージェに呪詛の言葉を投げつける。
その下腹には、ピンク色に光る紋様が浮かび上がっていた。少し欠けた、あともう少しで完成しそうな、ハートを模った刻印が……

「あら、どこかにお出かけ?……やめたほうがいいわ。今出歩くのは危険よ」
「放っといて……あんたと二人っきりでいる方がよっぽど危ないわ」

アージェの忠告を無視して、いつも着ていたライダースーツ……ではなく、ブラウスとミニスカート、ジャケットを手早く羽織る。
見習い時代に着ていた服に似ていた……というのが選んだ理由であるが、用意したアージェの趣味なのか、やけに露出度が高い。
(動きやすいけど、ハイキックでも打ったらスカートの中が丸見えね……ま、『背に腹は代えられない』……か)
かつてマリアに教わった日本のコトワザをふと思い出し、サラはほんの少し表情を曇らせた。

「典型的なスラム街って感じね……それに、なんだか獣臭い……ここ、一体どこの国かしら」
部屋の扉を開けて外の景色を見ると、そこには見た事もない街並みが広がっている。
未だ火照りと疼きの収まらない体を引きずりながら、サラは夜の街を歩き出した。

なぜ自分がここにいるのか。これからどこに行って、何をすればいいのか。
どんな危険が潜み、何が待ち受けているのか……何一つわからないままに。

(あらら、行っちゃった……
今の貴女は変身デバイスがなくて、クレラッパーに変身できないって言うのに……
ま、記憶を失ってるから、自分が変身できる事もわからないかも知れないけど)

(それに、貴女は、この『トーメント王国』では指名手配されていて、
貴女の事を恨みに恨んでる奴らが、『処刑獣』にその身を変えて貴女を狙ってる……)

(中でも一番質の悪い「アイツ」も。……貴方を見つけたらきっと、目の色変えるでしょうね
貴女と『本契約』できるのも、そう遠い先の話じゃなさそう……楽しみだわ……ふふふふふ……♥)

  • 最終更新:2019-05-26 22:43:35

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