18.11.水着回

529: 33/33 :2017/07/29(土) 17:11:46 ID:???
「…うんうん。思った通り、すっごい可愛いよ、水鳥!」
「ありがとう、カリンちゃん!……でもこれから泳ぐから、イヤリングは外しておかないとね」

胸元とスカート部にフリルの付いた、オレンジ色の水着のカリン。
真新しいイヤリングを着け、水色地に白い水玉模様の水着を着た水鳥が、恥ずかし気な笑みを浮かべる。
『ブルーバード小隊』結成の記念と、互いの親睦を深めるため、水鳥達は近所の海水浴場にやって来ていた。
…「お前らはもう十分深まってるだろうが!」というライカの突っ込みは軽やかに受け流しつつ。

「そうだね。『ま、そう簡単に外れるもんじゃないけど…万一の事があったら、お互いショック大きいもんね』
…って感じの光り方してるもんね」
「うーん。カリンちゃんの言ってること、わかるようなわからないような…」
フウコの水着は、フリルスカートのない、若草色のシンプルなワンピース。ちなみに泳ぐ時もメガネを掛けている。

「……この海の向こうが、トーメント王国か…」
(お姉ちゃん、今頃どうしてるかなぁ……あの王様に、虐められてなければいいけど…)
(…カレラ師匠……私にもっと力があれば、助けに行けるのに…)
(フウヤ…海の向こうから風が吹く度、かすかに感じる…もしかして、あなたは生きてるんじゃないかって…)

三人は楽しく海水浴を満喫しながらも、時折海の向こうの国に囚われた大切な人達の事を思い出す。
そして、明日から待ち受けているだろう新たな試練へと想いを馳せるのだった。


ちなみに同じ頃、海の向こうでは…

「うーーみーー!にやってきましたわーー!!」

クッキーやチョコレートを模した可愛らしいデザインの水着に、ドーナツ型の浮輪を持ってはしゃぐアイナ。
砂浜をダッシュし、頭から海に飛び込み、ひとしきり泳いで、波に呑まれて、
虚空に向かってばっしゃばっしゃと水を掛けた所で……大きく一つ、ため息をつく。

「はぁ…空しいですわね。…リザちゃんもサキもシーヴァリアに行っちゃうし、
シアナ達は『絶対見逃せない試合がある』とかなんとか言って、アトラと一緒に闘技場に出かけて行っちゃうし、
フースーヤも王様に呼ばれて『強キャラ感を醸し出す練習しなきゃ』とか意味わからないこと言ってるし…」

「ま、まあまあ…私、北国の生まれだから泳ぎは得意じゃないけど、少しくらいなら付き合うから…」
…遅れてやって来たのは、角度も肌面積も大人しめな、楚々としたワンピース水着のエミリア。

「ううう…エミリアちゃん。やっぱり、貴女は私の心の友!ソウルメイトですわ…
今日は二人で、めいっぱい楽しみましょうねぇぇ!!」
「あ、あの……日の光にも弱いんで、できればお手柔らかに…」

…とまあ、こっちはこっちで海を満喫していた。

  • 最終更新:2018-02-01 21:58:42

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