18.01.試合前

471: 0/14 :2017/07/17(月) 00:11:10 ID:???
「ふー、できたっ…!……水鳥、喜んでくれるかなぁ」
ルミナスの魔法少女カリン・カーネリアンは、
水鳥から預かった宝石を加工してイヤリングを完成させた。

「あら、上手いもんじゃない。見かけによらずけっこう器用なのね」
…とでも言っているかのように、オレンジ色の石が埋め込まれたノンホールピアスがキラキラと輝く。

「だから『見かけによらず』は余計だってば……って、あれ?今の声、なに?……気のせいか」
(…へえ。一瞬とはいえ、この子にも声が聞こえるなんて…
イヤリングになったおかげで、石の力が増幅されたのかしら)

…魔力を持つ宝石は、宝飾品に加工する事でより力を増すと言われている。
技術と魔力、そして強い想いによって、宝石の力を最大限に引き出す、
ルミナスの中でも特殊な能力を持った職人達は『魔石師』と呼ばれていた。

「私にしては上手くできたけど…やっぱり私のお師匠さんの作品に比べたら、まだまだだなぁ。
…早くトーメント王国の奴らから助け出して、もっと色んな事を教えてもらわなきゃ…」

472: 1/14 :2017/07/17(月) 00:12:25 ID:???
「ねえ、瑠奈。こんな時に言うのもアレだけど…またちょっぴり大きくなってる?」
『その日』……控室にて、唯は水着に着替えていた。
白とピンク色で、可愛らしいフリルスカートのついたセパレート水着である。

「ほんと、こんな時にアレだけど…そうかもね。
…なのに、この貰った水着がサイズぴったりっていうのが不気味でしょうがないわ」
瑠奈も、着替えていた。こちらは、青いホルターネックのワンピース水着。
背中が大きく開いた、大胆な…俗にいう「童貞を殺す」デザインである。

「私の水着なんて、コレ……いくらなんでも、あんまりです……」
それは 水着というにはあまりにも紐すぎた
小さく 鋭く 狭く そして細過ぎた それは正に紐だった

「きょ…鏡花……」
「ま、まあ……鏡花ちゃんはイザとなったら、『アレ』があるし……」
しかしそれが『ルール』である以上、着ないわけにはいかない。
鏡花は覚悟を決め…られず、上からパーカーを羽織って完全武装したまま『決戦の場』へと向かった。

473: 2/14 :2017/07/17(月) 00:13:53 ID:???
「ご来場の皆様大変お待たせいたしましたァァ!!
ただ今より、イータブリックス闘技場『海の日』特別試合を開催いたします!」

<ワァァァアアア!!>
<唯ちゃんおかえりー!!>
<ノワールちゃーん!いや、瑠奈ちゃーん!>
<おっぱい!おっぱい!おっぱい!>

「はあ…それにしても、なんで私達(主人公)がこんな所(スピンオフ)でこんな事(水着回)を…」
「す…すみません。私のせいで、お二人までこんな事に……」

本人が言う通り、今回の試合が行われる発端となったのは鏡花だった。
この『特別試合』に勝てば、先の戦いで捕虜にされた他の魔法少女達を解放する…
王から提示された条件を、罠と知りつつ鏡花は飲まざるを得なかったのだ。

「あ。そういう意味じゃないわ!私達だって、ルミナスの人達にはすっごくお世話になったんだから!
だから少しでも、力になりたいの!」
「そうだよ、鏡花ちゃん!…それに、一人で戦うのって…すっごく心細いから…」
…鏡花は、この世界に来てからずっと、妹や他の魔法少女たちと一緒に戦って来た。
だから、試合の話を受けた後…今までにない恐怖と不安に襲われた。
そんな姿を見て、唯は過去に自分が闘技場で戦った時の事を思い出したのだという。

「唯さん、瑠奈さん……!」
「いつまでもそんな堅苦しい呼び方しなくていいわよ…呼び捨てでいいわ、鏡花」
「私は呼び捨てよりちゃん付けがいいな!いっしょに頑張ろう、鏡花ちゃん!」
「ふふ……そうだね。ありがとう、唯ちゃん、瑠奈!」

勇気を奮い起こして、鏡花がパーカーを脱ぎ捨てる。
超高校級のバスト、見事な曲線を描く引き締まったウェスト、むっちりと脂肪の乗ったヒップと太股。
そしてそれらを隠そうともせず、むしろ強調するかのような際どいスリングショットの水着姿に、
場内は割れんばかりの歓声に包まれた。

  • 最終更新:2018-02-01 21:42:34

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