16.08.円卓会議

378: 名無しさん :2017/05/21(日) 22:29:23 ID:???
「お、王様!十輝星の皆様!大変です!」

五人の戦士にひたすらリョナの限りを尽くして殺し、さらには生き返らせて何度も何度もリョナって心を完全に折っている最中。突如トーメント王国の兵士が血相を変えて飛び込んできた。

「なんだ、リョナの途中だぞ」
「も、申し訳ありません!しかし、火急の用事が…!ナルビア王国との…いえ、シーヴァリアやミツルギ、ルミナスなどの周辺国家を丸ごと巻き込むような事件が…!」
「なに?そこまでの事件が…」

王は五人の戦士たちの死体を見下ろしながら思案する。
確かにリョナりまくったが、徹底的に心を折るには少々不足している感も拭えない。何かの拍子に脱出され、いい子ちゃんの多いルミナスやシーヴァリア辺りに保護でもされては、また牙を剥いてくる可能性もある。

「研究都市アルガスが、トーメント王下十輝星『スピカ』の襲撃を受けたという情報が出回っているとのこと!」
「なに?」「は?」「そんな!確かにマルシェザールは暗殺しましたが、証拠は残ってなかったはずですわ!」

左から王様、サキ、アイナの台詞。特にずっとリザに同行していたアイナからしたら信じられない話だろう。

「なるほど、このまま徹底的に心を再起不能にされる前の、『運命を変える力』の必死の抵抗というわけか……
?まぁいい、普通の少女には過剰すぎるくらいにはリョナった。コイツらを拷問室にぶち込んでおけ!十輝星はこのまま会議室へ直行だ!」

「えー!?マジかよ王様ぁ」
「文句を言うなよ。また日を改めてリョナればいいだろ。日が開いて油断した所を…ね」
「お、それはそれでイイな!」
「アルガスにリザさんの襲撃がバレた…?いったい何が…」
「とりあえず、会議室で情報を整理しよう」

王と十輝星は連れ立って部屋を出ていく。残された少女たちの遺体は、兵士たちによって拷問室へと運ばれた。
『五人の戦士』の特権によって、彼女らは自動的に生き返る。王に対抗する最大の武器とも言える無限コンティニューのような機能だが、それが今の彼女たちにとって救いとなっているかは、はっきり言って怪しいところだ。

381: 名無しさん :2017/05/22(月) 09:09:48 ID:???
兵士からの報告を受けた王と十輝星たちは、円卓会議を始めることにした。
王と十輝星以外は立ち入りを禁じられている会議室は、白い円卓を取り囲むように白い椅子が並べられている。
その椅子の高さはそれぞれ違う。1番高い椅子は王の固定席だが、他は十輝星の中の古株順に高い椅子に座っていく。

現在の十輝星の加入順は、アイベルト、ロゼッタ、ヨハン、サキ、リザ、アイナ、シアナ、アトラ、フースーヤとなっている。王を除けばヨハンが全員を見下ろす形となった。
同時期に入った者もいるが、その場合は実力が考慮される。リザとシアナは同時に入ったアイナやアトラよりも高い位置に座すことを決められている。

「よし。約3名いないが、トーメント王国円卓会議を始めるとしよう。議題はもちろん──」
「アルガスにおけるスピカの失態について。ね。」
「ち、ちょっとリゲル!スピカちゃんとアイ──ベガは完全に任務を遂行したんですのよ!そもそも身バレなんてありえないんですわ!」
「ふん。それはあんたらが勝手にそう思い込んでただけでしょ。たとえそれが本当だったとしても、この国にだってどんなスパイが入り込んでいるか分からない。あたしたちの情報が抜けててもそこまで不思議ってことないわ。」
アイナを見下ろしながら毒を吐くサキ。この円卓の場では、それぞれを星位で呼び合うと義務付けられている。
理由としては、「歴代の十輝星に敬意を払って」ということらしいが、真相はただ単になんとなく王がかっこつけたいだけであった。

「その可能性は低いと思うけどね……でも、監視カメラも壊して完璧に任務を遂行したのなら、それも考慮しないとだね。」
「そうですよね!アルタイル様!その可能性もありますよね!」
「うぅ……」
「でも、その可能性をここで話し合ってもしょうがない。まずは、スピカの行動になにかしらの落ち度がなかったかを話し合った方がいいと思う。」
シアナが人差し指を立てながら、上からの視線を集める。座席の高さこそ低いシアナだが、持ち前の冷静さからこういった会議では皆の視線を集めることが多い。
「ぐがー……すぴー……」
だが、その集まった視線は隣の赤い単発の少年に集中してしまった。

「シリウス!寝るな!」

382: 名無しさん :2017/05/23(火) 00:59:44 ID:???
「ハッ!悪い悪い、この部屋居心地良いからついウトウト……」
「まったく……話を戻すけど、スピカの行動に何か落ち度がなかったか……同行していたベガを中心に話し合っていきたい」
「そうは言いましても、ほんとに思い浮かばないんですが……マルシェザール以外は殺しはしていなかったみたいですけど……」
アイナはアルガス潜入作戦での行動をなるべく事細かに喋りだしたが、聞けば聞くほどリザに落ち度はないように思える。

「目撃者がスピカの身体的特徴からアウィナイトだと気づいた……?いや、それじゃあ王下十輝星のスピカだと判明した理由にはならない……」
「やはり、アルタイルさんの言う通り、内部のスパイの仕業でしょうか?」
「リゲルとベガには触れないというのが気になるな……リゲル、君が一時的に捕まっていた時に、何か余計なことを言ったんじゃないか?」
「お生憎様、あたしは拷問されてる時にDとかいうクソ野郎に口を塞がれてたから、仮に喋りたかったとしても喋れない状態だったのよね」
「ああ、確かに目も耳も口も塞がれて喘いでましたわね」
(D?どこかで聞いた名だが……いや、まさかね。イニシャルをあだ名にしただけだろう。Dなんてイニシャル、ありふれてるし……)

会議は踊り、推理は煮詰まる(誤用)。部屋にピリピリした空気が流れかけた時。

「なー、これ以上喋ってても堂々巡りじゃねー?それよかナルビアと戦争になるかどうかとか考えようぜ!白衣の女研究者をリョナったりしてぇなー!」
「そうですわそうですわ!スピカちゃんは失敗なんてしてないんですから、いくら粗探ししたって無意味ですわ!」

アトラとアイナが声をあげて場の空気を変える。
2人は座席は同期のシアナやリザより下だが、こういう時にムードメーカーとなって空気を切り替えてくれる。組織にとって、なんだかんだいなければ困るような人材だ。

「ふむ、それもそうだな……だが原因は不明とはいえ、失態は失態だ。リザにはちょっとしたお仕置きを用意しておこう。クヒヒ……ノワールに魔力を提供でもさせて、バトルスーツの更なる改良でもするか……?」
「り、スピカちゃんがノワールに魔力吸収……」
アイナの脳裏に、以前リザが結界の中でガチレズに甚振られていた時の光景が蘇る。

(い、いけませんわ……!あの時のことを思い出すと、アイナはリザちゃんのことを……!アイナとリザちゃんの美しい友情にヒビが……!)
(アイナ……やっぱり、あの時にちょっと愉悦に目覚めかけたみたいね)
悶々とするアイナを見て、その心情を正確に察するサキ。

(この国では、リョナラーの方が生きやすいだろうけど……親しい奴がやられてるのに興奮するとは、ある意味あたし以上ね)
サキはドSだがその分身内に甘い。気に入らない奴や見ず知らずの人間ならともかく、親しい人がリョナられてても興奮はしないだろう。

「しかし今回の件で、周辺国家との緊張も強くなる……か」
「場合によっては、大戦争もあり得るだろうな」

  • 最終更新:2018-01-28 12:52:27

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