16.04.幕間・リザ

358: 名無しさん :2017/05/14(日) 22:22:01 ID:???
「さて、私はアリサのやつをギタギタにしてやろうかしら。なんとなくクソリザに似てなくもないしね……!」
「あ、じゃあアイナもサキのお手伝いをさせていただきますわ!あのアリサとかいう奴は口調がアイナと同じで、キャラが被っているからムカつきますわ!」
「ふん……勝手にすれば?」
「ち、ちょっとサキ。ヨハンがいるのにその口調でいいんですの……?」
「いいのよ。もうヨハン様にも私の性格の悪さはバレてたんだし……ヨハン様以外にはこの口調でいいわ。」
「ということは、まだ恋の炎は消えていないんですのね。……まあ、生暖かい目で応援してあげますわ……」
「僕は……唯ちゃんをやる……!」
シアナ、アイナ、サキはそれぞれ標的を定めたようで、それぞれの獲物に近づいてゆく。
リザはその様子を、冷めた目で見ていた。

(趣味の悪い……王様はこんなことをさせるために、私をここに残したの……?)
「どうしたリザ?お前も日頃の鬱憤をこいつらで晴らしていいんだぞ?」
「……王様。私はアイベルトの方が気になるので、シーヴァリアに向かってもよろしいでしょうか?」
「はぁ……リザ、ノリが悪いぞ。なあヨハン?こういう時は周りに合わせないとダメなんだってお前が教えてやれ。」
「ぼ、僕に丸投げされても……というか僕もこういうの、あんまり興味ないんですよね。任務と言われればやりますけど……」
「あーじゃあ任務だ。ヨハンはあの瑠奈……青髪ロリ巨乳をリョナれ。」
「はは……わかりました……」
苦笑いをしながら、ヨハンは瑠奈の元へと近づいていった。
「で、リザはどうする?
「……私はやりたくありません。もうシーヴァリアに向かいますので、これで失礼します。」
そう言うとリザは、一瞬で姿を消した。

361: 名無しさん :2017/05/16(火) 01:04:05 ID:dauGKRa6
王と十輝星がリョナの限りを尽くしている頃、リザは自室へと戻って来ていた。
(ああやって意味もなく人を痛めつけて、何が楽しいんだろう……あの感覚だけはこれからも一生わからないんだろうな。)
ドレスを脱ぎながら、リザは王や仲間たち、トーメントの国民たちの性質について考えを巡らせる。
(この国の人たちは……どうして喜々として暴力を振るう人が多いんだろう。他人に理不尽な暴力を振るうことは、ただ報復を恐れることになるだけなのに。)
ショーツとブラの下着姿だけになったリザは、ふと全身鏡に映った自分の姿を見た。

(……結構、生傷が増えちゃったな。)
アウィナイトの一族を助けると決めた日から、リザは連日連夜戦い通しの日々を重ね、幼い体を酷使している。
凄まじい身体能力とテレポートを使えるとはいえ、巨大な魔物や実力者のレジスタンスたちとの戦いを無傷で終わらせることは叶わなかった。
一応、教授に体を見せれば傷は綺麗に治せるらしいが、お願いしようとした時のいやらしい手つきと血走った目と口から流れるヨダレがどうしても気になって、取り下げたことがある。

(……でもこれも全部、王様に私たちを保護してもらって、アウィナイトのみんなが迫害されるのを防ぐため……体の傷なんかにかまっていられない。)
いつもの黒い暗殺者服に黒いコートを纏い、少し伸びた金髪をぎゅっと後ろで縛って、リザは単身シーヴァリアへと向かった。

  • 最終更新:2018-01-28 12:40:15

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