15.14.遭遇

340: 名無しさん :2017/05/07(日) 22:42:38 ID:???
サキとリザの話が終わった頃を見計らってアイナが戻って来ると、
二人の間に漂う空気が、どことなく変わったように感じられた。

「…リザちゃん、涙の痕がありますわよ!?…ちょっとサキ!!一体二人っきりでどーいう話をしましたの!?」
「るっさいわねー…別に大した話じゃないわよ。…ねえ、リザ?」

「…うん。何でもないよ、アイナ。…まだわからない事は多いけど…これだけは言える。
私たちがお互いをどんなに嫌っていても…仲間だなんて、思っていなくても、同じ十輝星である事に変わりはない。
だから…もしサキが今回みたいな目に遭ったとしても、私は今までと変わらず、必ずあなたを助け出す」

「…は?アンタ私をバカにしてるわけ?こんなドジ、二度と踏むわけないじゃない。むしろアンタこそ…覚悟しておくことね。
そのうちドジこいて敵に捕まったりしたら、私は絶対助けてなんかあげない。指さして笑ってあげるわ」

「…や、やっぱり二人とも…なんか雰囲気がおかしいですわ!?
ま、まさか今、アイナが感じているこの感情は……そう、これはまさに『疎外感』…!?」
二人のあまりに唐突な和解…なのか何なのか。
とにかくあまりの事態に、突然のサキのキャラの変わり具合についてさえ、ツッコミを入れる余裕がなかった。

341: 名無しさん :2017/05/07(日) 22:47:55 ID:???
「あのー、すいません」
「ううううるさいですわね!今、それどころじゃないんですのよ!!…って、あら?」

アイナは突然背後から声を掛けられ、振り返ってみると…二人の少女が目の前に立っていた。
一人は栗色のセミロング、もう一人は青髪のショートカット。
一体どこから現れたのか、と思ったが、よく見ると二人はルミナスの魔法の箒を手にしている。
つまり空を飛んでここまで来た、という事になる。彼女たちはルミナスの魔法少女だろうか?
それにしても、二人の顔にはなんとなく見覚えがあるような……

「私達、アルガスに向かってるんですが…皆さんも、アルガスからいらっしゃったんですよね?」

「え、ええ。確かアイナ達はアルガスから来たのですけど…」
(そうだ…この二人、篠原唯と月瀬瑠奈…お尋ね者の二人ですわ!)
思い出した。かねてから捕獲を命じられていた『五人の戦士』のうちの二人だ。
…それにしても、どうにも気になる事がもう一つ。

「その前に、一つよろしくて?…どうしてあなた方は、バニーガールの衣装なんて着ていますの?」
…篠原唯は赤、月瀬瑠奈は黒のバニー衣装を着ていた。
篠原唯は、標準的な体系と穏やかな笑顔から、セクシーな衣装というギャップが妙に背徳的な魅力を醸し出している。
一方の月瀬瑠奈は、童顔・低身長ながらその胸のボリュームがセクシー系の衣装と相まって健康的な魅力を引き立てて…
(…なんか、怪しい風俗の新人店員と指名No.1みたいな感じですわね)
……アイナの心にはついつい、おっさん臭い感想が浮かんでしまうのであった。

342: 名無しさん :2017/05/07(日) 22:53:58 ID:???
「いやー、かくかくしかじかで、盗賊のアジトで着替えを探したら、こういうのしか無くて」
「それにしたって、律儀に耳までつける必要ないですわよね!?」
「…それより、今アルガスに行くのは…正直オススメできない」
「そうそう。あそこは今、賊が侵入してくるわ、そいつが暴れ回るわでもー大変!て感じ?私達もそこから逃げて来たのよ」

後ろにいたリザとサキも話に加わった。当然、唯達の素性については既に気付いている。
このままアルガスに行かせるわけにはいかないので、サキは真贋織り交ぜつつ色々と誇張したつもりだったが…
何の偶然か、言ってる事は一つも間違っていない。

「そ、そうなの!?じゃ、じゃあ…そうだ。アリサって女の子、見かけなかった!?」
「髪は金髪ロングで、剣を持ってるの。話し方は…あなたみたいな、なm…丁寧な口調」
「え…ええ。確かに見たような見なかったような…金髪で、白い服を着ていて…でも剣は持ってませんでしたわ?」

適当に話を合わせながら、三人はアイコンタクトで会話…はさすがに無理なので、
「ちょっとごめんあそばせ」と一声かけてからひそひそ声と緊急作戦会議を始めた。

(それで……どうする?)
(トーゼン捕獲ですわ!何も知らずにアイナ達に話しかけてきたのが運の尽きですわよ!)
(でもあいつら、箒で飛べるみたいよ?もし感づかれて、空に逃げられたら追いかけようが…)
(ううん……そうですわ!飛ばれたくないなら…逆に、飛ばせてしまえばいいのですわ!)
((……???))

343: 名無しさん :2017/05/07(日) 23:14:57 ID:???
「……サイッコーですわーー!!アイナ、一度ホウキで空を飛んでみたいと思ってたんですのよー!!」
「あは!気持ちいいでしょ、アイナちゃん!…そうだ。名前言ってなかったね!私、篠原唯!」

一緒に箒で空を飛ばせてほしい、と唯に申し出たアイナ。
同じ箒に乗ってしまっていれば、逃げられる心配はない。
あとは、弱らせてボールで捕獲すればいい…まさに逆転の発想であった。

(アイナ…大丈夫かな)
(え?まあ、あの二人もルミナスでけっこう修業したって噂だけど…
油断してるところに不意打ちすれば、いくらアイナでも負ける要素ないでしょ)
(いや…そうじゃなくて……)
確かにアイナの作戦なら、確実に篠原唯を捕獲できるだろう。
サキもアイナも自信満々な所を見ると…リザが今考えてる『不安』は、やはり単なる取り越し苦労だったのか。

(そんな事より……残った方を)
(ええ。速攻で片づける)

「まったく唯ったら、アリサが危ないかもしれないって時に呑気なんだから……ねえ。さっきの話の続きだけど」
「ああ…その金髪の子なら、私達と一緒にアルガスから脱出したのを見たから問題ない」
言っている事は間違っていない…そして、今もリザのカバンの中に入っているのだ。
「どっか別の国に向かったんじゃない?例えば、トーメント王国とか…ね」
ニヤニヤしながら、サキも続ける。

「え?…トーメント王国…いやいや。他に行くにしても、あそこはあり得ないわ。だって……っ!?」
リザは瑠奈に素早く接近し、みぞおちを狙って膝蹴りを見舞う。
サキは瑠奈の箒を確保し、遠くへ投げ捨てた。

プロの暗殺者であるリザは、攻撃するその瞬間まで、殺気というものを感じさせなかった。
「え、ぐっ……い、いきなり何するの、よ……!」
「…あなた達も、来てもらう。トーメント王国に」
「心配しなくても、アリサとかいう金髪女ももちろん一緒だから!ハーッハハハハハ!!」
「そんな……あなた達、敵だったの…!……ゆ、唯が…あぶ、な……」

344: 名無しさん :2017/05/08(月) 01:19:27 ID:???
………………

「よーし!じゃあ今日は、アイナちゃんとお友達になった記念に…スピード出しちゃうよー!!」
「きゃーー!!待って待って、アイナまだ、心の準備が!…きゃああああ!!」
(友達、か。…完全に、油断してますわね。このままでも不意打ちできそうですけど…
念のため、『能力』を使っておきますわ)
…アイナはあえて、唯を襲撃する前に『消える能力』…その発展形である『相手の記憶から消える能力』を使った。

「お友達に……あれ?…私…誰と友達になったんだっけ?……どうして私、一人で空飛んでるんだろ…」
それは、奇襲に万全を期すため。あるいは……出会ったその日に『友達』と言ってくれた、
唯に対する罪悪感を少しでも打ち消すためかも知れない。
「ボールで捕まえるために…まずは、手っ取り早く弱ってもらいますわ。
アイナのイチ押し、『痺れる程にスパイシー!ブラックペッパーチョコ』を…喰らいなさい!」

………………

「えぐっ!!」「い、ぎぃっ!!」「やあ、あぁぁっ……っぐ!!」

リザは瑠奈に膝蹴りを数発入れた後、反撃してきた瑠奈の腕を取り…寸毫の迷いもなく、肩の関節を外した。
「ところで、ボールで捕まえるために弱らせるって…どの位やればいいの」
「私が知るわけないでしょ…適当でいいわよ。まあうっかり殺しちゃったとしても、さっきの奴らは死体でも収納できたんだし」

「…殺しておけば確実ってことね」
全く表情を変えず、リザはもう一方の腕も外しにかかる。
「誰もそんなこと言ってないでしょ…昔から思ってたけど、アンタってやる時はとことんエゲツナイわよね」

(ごきっ!!)
「っ…ああああああッ!!!」

346: 名無しさん :2017/05/08(月) 23:55:04 ID:???
「唯ちゃん!唯ちゃん!こっち向いてですわ!」
「え?誰!?」
(好機は今ですわーーーッ!!)
アイナは唯の記憶から消えた状態で振り向かせ、口の中にブラックペッパーチョコを放り込む計画だった。
だがその作戦は唯の反応速度を甘く見すぎていたのだ。

「きゃああッ!やめてええっ!」
バシッ!!!
「おごっ!?」
合気道をやっていた経験上、唯の反応速度は常人のそれではない。
突如妙なお菓子を押し付けてきた少女に対し、唯は反射的に掌底を繰り出していた。
「あ、あ……!辛ああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
そして、掌底で押し込まれたブラックペッパー(以下略)は、アイナの口の中に放り込まれてしまったのである。

「あああーー!!!辛いですわああああああっ!!!こんなもの作ったやつは◯◯◯(自主規制)ですわーーーーッ!!」
「あ、アイナちゃん大丈夫!?一旦降りるね!!!」
ショックで姿を現したためアイナに関する記憶は戻ったものの、唯からすれば状況がちんぷんかんぷんだった。
とはいえ苦しんでいるアイナをそのままにもできず、とりあえずは地上に降り立つことにする。

「うおおおお゛お゛っ!!!辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛いい゛っ!!!ぎああああああっ!!!」
「あ、アイナちゃん落ち着いて!今水を持ってくるから!!」
あまりの辛さに地上で転げ回るアイナ。唯はすぐに瑠奈の元へと水を取りに行った。
そしてそこで見たものは……!

347: 名無しさん :2017/05/09(火) 02:30:30 ID:???
「あぐっ……ううっ……!!」
流れるようなリザの関節技で、瑠奈の両肩の関節は一瞬にして外されてしまった。
跪いてお尻を突き出した格好のまま、瑠奈は苦悶の声を上げる。
そんな瑠奈の姿を、サキは冷ややかな目で見降ろしていた。
「あらあら、ウサギちゃんたらかわいそーに。冷血女にボコられて…クスクス」

「はあっ……はぁっ……」
(何なの、この子……強い…というか、速すぎる……!!…このままじゃ、本当に……)
……殺される。
元の世界に帰る事も、ケンカ別れした仲間と再会を果たすことも出来ずに…
(そんなの、嫌……こんな所で、あのバカ王の手下なんかに捕まるなんて…)

「……アイナの方は、大丈夫かな」
リザが瑠奈に止めを刺そうとした、その時。…上空を飛ぶ箒が、何か不自然な動きをしている事に気付いた。
恐らくアイナが唯に奇襲を仕掛けたのだろう…が、どうも様子がおかしい。
「あっちは問題ないでしょ。箒に乗ってる時に襲われれば、唯って子も防ぎようがないって。さっきから何を気にしてるわけ?」
「いや、大したことじゃないけど…箒を操ってる人を襲うのって………普通に危なくないかなって」
「……あ。」
リザに指摘されて、サキは初めて気がついた。

「アンタ……そういう事は、気付いてたんならもっと早く言いなさいよ!ほんっと使えないわね!!」
「…二人とも何も言わなかったから、何か考えがあるのかと思って」
アイナの作戦の致命的欠陥が、ここに来てようやく明るみになった。
その一瞬の混乱を突き……瑠奈が勢いよく上体を起こし、網タイツに包まれた足を勢いよく振り上げる。

「たああぁぁぁっ!!」(…私は、負けないっ…!…絶対、帰るんだ…唯と、アリサと…一緒に!)

(ぴしっ!!)
「っ!?」
いかなる運命の巡り合わせか。その時たまたま瑠奈の着ていたバニーガール衣装の耳がリザの鼻先をかすめ、
リザの動きがほんの一瞬だけ止まる。
その刹那、瑠奈が繰り出したのは…まさにウサギのごとく、宙返りしながらの前蹴り…サマーソルトキック!

(…ミシッ……)
「く、ううっ…!!」
…その代償は決して小さくない。後方宙返りの勢いで、負担の掛かった両肩には激痛が走る。

「っ…まだ動けたの…!?」
乾坤一擲を狙った瑠奈の蹴りを、辛くもかわすリザ。だが……

(ビキッ!!)
リザのカバンに入れていた「異能力一部無効化装置」は、蹴りの直撃を受けて破壊されてしまった。

「しまった…無効化装置が!!」
「え?…それって、能力者の力を封じるって言う、あのキモオタの『教授』の発明品?……なんでそんなもん持って来てたわけ?」
「それは………どうして、だっけ……」

348: 名無しさん :2017/05/09(火) 23:02:24 ID:???
「まぁ細かいことは置いといて、さっさと捕獲するわよ!例のヒューマンボールで……あれ、ヒューマンボールって、半分はリザが持ってて……残りの半分は誰が持ってるんだっけ……」
「ターゲットを捕獲した時……捕まえたのは……」
アイナが『消えた』ことによる記憶の弊害によってリザとサキの動きが一瞬鈍った隙に、瑠奈は肩を庇いながら後退する。

(なんで唯は一人で箒に乗ってその辺飛び回ってるんだっけ……何か、あの2人に騙された気はするんだけど……)
丁度その時、アイナが自分でブラックペッパーチョコを食べたことによって能力を解き、瑠奈たちの記憶が戻る。

「……ってあれ?なんで私、あのピンクツインテのこと忘れてたんだろ……?」
「ち、アイナの進化した能力とやら、強力なのは事実だけど致命的に協調性がないわね!」
「サキが……それを言うの?」
「は?なによ、私ほど協調性のある女は滅多にいないわよ?私がなんのために普段猫被ってると思ってるのよ」
「……とにかく、アイナがまた『消える』前に、早くケリを付けよう」
「ちょ!?速すぎ……」
今度は予めリザたちを警戒していたにも関わらず、リザの早業に全く反応できずに組み敷かれてしまう瑠奈。

「また抵抗されたら面倒だから、さっさと殺そう。頸動脈は……この辺りかな」
「ひっ!」
リザが正確に瑠奈の頸動脈を探り当て、ナイフで一気に殺そうとした瞬間!


「ダメーーー!!」


アイナの為に水を取りに来た唯の悲鳴が響く。

(可哀想だけど、これがこの世界の常……悪く思わないでね)
悲鳴からして唯との距離はまだ遠く、ろくに遠距離攻撃魔法も撃てないであろう彼女には自分を止める手段はない。ひとまず唯の悲鳴を無視して瑠奈にトドメを刺そうとするリザだが……

「バカリザ!伏せなさい!」
「え、ちょ、ぶ!」
突如サキに頭を掴まれて身体ごと地面に叩き付けられる。思いっきり顔を強打してしまい、思わず文句の言葉がリザの口から出ようとした瞬間……リザとサキの頭上を箒が単体で飛んで行った。

「はっ!」
唯が掛け声を上げると箒は機動を変えて勢いを落とした上で瑠奈に当たり、瑠奈の身体を唯の方へと飛ばす。そして唯はばっちり瑠奈をキャッチした。
「瑠奈!?大丈夫!?」
「ふぅー、助かったわ唯!」

「ちょっとちょっと……箒をそんな風に使うなんて、どんだけ破天荒なの……」
「サキ……助けてくれたのは有難いんだけど、もう少し優しく……」

349: 名無しさん :2017/05/11(木) 23:35:22 ID:dauGKRa6
「る、瑠奈!どういうこと!?何が起きてるの!?」
「ゆ、唯……!こいつら敵よ!きっと あのチビ共の仲間だわ!」
「えっ!?こ、こんなに可愛い女の子たちが……?」
瑠奈の関節を直しながら唯は2人を見据える。
1人は機能性の高そうな黒スーツに金髪ショートで碧眼のクール系超絶美少女。
もう1人は黒い上着に白いインナーを着ているが、ニーソックスや蝶の髪留めが年頃の女の子らしさを醸し出している。美しい金髪の方の美貌に負けず劣らず、こちらもかなりの美少女だった。

「あなたたちも……アトラくんたちの仲間なのっ!?」
「アトラ……?あぁ、そういえばあんたらを一回捕まえたのはあのガキ共だったわね。」
「それより……アイナは?」
「……アイナちゃんも……君たちの仲間なんだね。」
唯はアイナを助けるために水を取りに来たつもりだったが、今は瑠奈を守るのが最優先だと決めた。
「アイナちゃんなら、私がカウンターしたせいで変なお菓子を食べて苦しんでる。でも……助けに行くなら、このまま私たちを見逃して。」
「はぁ?何言ってんのよ。あんたらはここであたしたちに捕まって、あの露出狂に毎日痛ぶられて泣かさ続けるのよ……!ククク……!」
「サキ……ちょっと言葉が悪すぎ。」
「うっさいクソリザ!いっつもいっつもあんたは真面目すぎてつまんないのよっ!」
「でも、相手はなんの罪もない女の子なんだし……」
「はっ!さっき言ったでしょ。あたしは顔のいい女が全員大っ嫌いなのよッ!」
(……自分だって、すごく可愛いくせに……)

「唯……!まさかこいつらも、あのチビ達みたいに説得するつもり……?」
体の痛みはなくなり、瑠奈はゆっくりと立ち上がりながら唯に聞いた。
「そうできればいいけど……でも無理そう……あの人、怖いよ……!」
唯が怖いというのは、仲間にも暴言を吐いている黒髪の方だろう。金髪の方はあまりの言葉の勢いに困惑しているようにも見える。
(あいつら油断しきってるわね……なら今度は私が、この状況を変えてやるっ!)

「えっ!?瑠奈、どこ行くの!?」
体が動けるようになった瑠奈は、唯の元を離れて素早く何処かへ行ってしまった。
「アハハハハッ!もしかして1人で逃げたの?あいつ、友達甲斐もクソもないクズロリ巨乳だったのね!」
「……逃がさない。」
走り出した瑠奈をリザが素早い身のこなしで追いかけていく。
「そ、そんな……瑠奈ぁ……!」
「クククク……結局友情なんてそんなもんよ。クソリザが戻ってくるまで、あんたはあたしが見張っててやるわ……!」

「んぐううううううおおおおおおっ!!!辛い辛い辛い辛い辛い辛い辛いいいぃっ!」
瑠奈が向かった先……それは唯と共に地上に降り立ったアイナの元だった。アイナは未だにうめき声をあげながら地面を転げ回っている。
(よし!こいつを人質にして……!)
瑠奈がアイナの体を掴むと、すぐさまその手を自分よりも小さな手に力強く叩かれた!
「えっ!な、アンタはっ!?」
「アイナを……離せっ……!」
おそらく自分を追いかけて来た金髪の美少女が、アイナの体をぐいっと引っ張り始めた。
「くっ……誰が離すもんですかっ!このっ!」
「痛っ!」
瑠奈はリザの小さな両手に爪を食い込ませ、思いっきり引っ掻いた。
「ぐあああぁっ!!」
リザが悲鳴をあげたのを確認し、瑠奈はアイナの体を力任せに引っ張った!
「もらったああああっ!」
「ち、ちょっと!?美少女同士でアイナの取り合いをするのはいいけれど、は、早く水をくれないと、し…死んでしまいますわーーーーッ!!」
アイナが叫んだ途端、ポッケに入れていた収納済みのヒューマンボールが地面に落ちた。

  • 最終更新:2018-01-28 12:14:23

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