14.10.真相

231: 名無しさん :2017/04/01(土) 18:42:42 ID:???
一方こちらは、洞窟奥部。

「ぐ……はぁ……はぁ……!」
「あら?あらあら?ドロシーちゃんったら、あの核に触れちゃったみたいね?」
「だったらなんだっていうの……!」
「クスクス……!代わりの核を探す手間が省けたってこと」
ライラが右手をあげると、そこから怪しい光が溢れ出す。と同時に、ドロシーの心臓の鼓動があり得ないくらい早くなる。

「あ、あああああ!?」
ドクンドクンドクンドクンという音が聞こえてきそうな程早く力強く鼓動する心臓。
「分かる?核に汚染された心臓が、身体中に汚染された血を巡らせようとしてるんだよ?」
「う、あ」
胸を強く押さえるドロシーだが、鼓動は遅くなるどころかどんどん早くなる。
「核って生き物の内臓っぽいけど、それにしてはちょっと大きいって思わなかった?」
「うっ、くぅう……!」
「ドロシーちゃん、貴女はこれから新しい核になるの!身体中を汚染されて、姿形が段々貴女が壊した核のようになるんだよ?どう?怖い?」
人間が邪術で変異し、大きな内臓のようになったもの。それこそが魂縛領域の核の正体。


「どうせ一度死んだ身……リザを救えさえすれば……私はどうなってもいい」
「フフフ……美しい友情ね……!でも、貴女みたいな子を手放すのは惜しいわ……だから、もう一度クローンを作るために、また子宮を貰うね?」
それを聞いてドロシーの身体はビクンと恐怖に震える。まだまだ年端もいかない少女なのだ。あの陵辱は心に刻みこまれている。

「クスクス……やっぱり怖いんだ?でも安心して?貴女には核になってもらわなきゃならないし、今食べちゃったら肝心のリザちゃんを食べられないから、食べはしないわ……」
地面から触手が現れ、心臓を押さえて苦しんでいるドロシーを捕らえる。

「ふん……そうやって余裕ぶって……せいぜい足元をリザと魔法少女に掬われるがいいわ……!お前が私を玩具にしてる間に…!あの魔法少女は、きっとリザを救い出す!」
「はいはい、そうなるといいねー。いい子だから次はちゃんと記憶を無くして生まれてきてねー。お父様、お願い」
「ア"ア"ア"ア"……!」
ローブを脱いで、裸体と埋め込まれた顔を晒すライラ。再び自分を襲うであろう陵辱に、ドロシーは目をギュッと閉じて備える。
友のため、自分を犠牲にして時間を稼ぐその健気な姿により一層興奮するライラとその父親。

「ああ……!リザちゃんも最高だけど、貴女も同じくらい最高よドロシーちゃん!貴女みたいな子の処女を二回も頂けて、お父様も嬉しそう……!」
「ぐ……!!」
ドロシーを拘束している触手が、彼女の足を開かせる。
人生で二回も処女を舌に破られる女性など、後にも先にもドロシーだけだろう。

(でも、これでいいの……私は本来、とっくに死んでるんだから)
思い返すのは、リザとアイナ……王下十輝星になる前から苦楽を共にしてきた友のこと。
(リザは、アウイナイトの民を守るため、したくもない殺しに手を染めてきた……アイナは、スラムの貧しい暮らしの中、食べれたもんじゃない食糧に調味料付けまくって我慢して食べてるうちに、味覚がおかしくなって、未だに変なお菓子ばっか食べてる……。
私はただ、立身出世に憧れてただけ。あの2人みたいに、切実な理由があったわけじゃない。だから……死ぬのが私でよかった。邪術師に玩具にされた後、私は結界の核になる……だから邪術師を倒したら、私を終わらせて……リザ)

232: 名無しさん :2017/04/02(日) 01:44:42 ID:dauGKRa6
「や、やっと着いた……!ここが邪術のライラの館ね。」
ようやく邪術師の館前に辿り着いた水鳥。方向音痴の彼女がここまで辿り着いたのは不思議な理由がある。
目印のない暗い森の中で地図を見るためにペンダントをかざすと、なんとペンダントが方角を示して発光したのだ。
その光に導かれ、水鳥はここまでたどり着くことができた。

(まったく……道案内のためにもペンダントになってよかったわ。でも魂縛領域の核になにかあったようね。少しずつこの体も壊れ始めている……)
カナンのペンダントの縁が、ボロボロと壊れていることに水鳥は気づいていなかった。

エントランスに入った水鳥の耳に、声が響く。
「……てそんなに……られなきゃ…ないのよッ……!」
「こ、この声はまさかスピカさん……?早く行かなきゃっ!」



(クソリザは気を失ったわね。まあ別にバレてもいいんだけど、あんな剣幕の後に問い詰められて、私としたことが焦っちゃったわ……)
バレるはずがない、バレたとしても一生リザはここに囚われる予定なので問題はないが、いつも無口で寡黙なリザのとてつもない大声に、サキは焦ってしまったのだ。
(興が冷めちゃったし、そろそろライライが戻ってくるかも。とりあえず遅効性の回復魔法をかけて、一旦トンズラしようかしらね……)
エミリアの魔力を利用し、リザに回復魔法をかけるサキ。この行動を彼女は5分後に後悔することになる。

「スピカさんから離れなさいっ!……って、え?エミリアさん……?」
声がした部屋に押し入った水鳥が見た光景……それは触手に縛られたリザと、元気そうなエミリアの姿だった。
「あ、あなたたち……仲間だったんじゃなかったんですか……!」
「あ、水鳥ちゃん勘違いしないでよ!私も今この部屋に着いたところなの!そしたらリザちゃんが縛られてて、気絶してて……!私パニックになっちゃって……!」
「……じゃあ、さっきの大声もエミリアさんだったんですか?スピカさんの声に聞こえたんですが……!」
「た、多分パニックを起こした私の声だよ~!水鳥ちゃん、は、早くリザちゃんを助けてあげて!わたし、もう魔力がないの……」
「わ、わかりました。リザさんのナイフがあるので、これで触手を切り落とします!」

(クックック……ホント魔法少女って純粋バカばっかりね。簡単に後ろを取れたわ……)
機転を利かせ、エミリアのふりをして水鳥の背後を取ったサキ。だが、伝説の魔法少女はサキの悪意に勘付いていた。
(妙だわ……さっきと明らかに感じる魔力が違う。こいつは……馬鹿魔力女じゃない!)
「きゃあ!っ!?ペ、ペンダントがっ!」
突如発行したペンダントから、一筋の光が発射され空中を飛び回り始める。
(やっぱり……水鳥を襲うつもりなのね!させないわッ!)
飛び回る光になったカナンが見たものは、背後から魔力を貯めた拳で今にも水鳥に殴りかかろうとしているエミリアの姿だった。

「きゃああああっ!?」
突如発射された光に体当たりを喰らい、エミリアは部屋のドアを壊しながら通路へと吹っ飛んだ。
「え?え?どういうこと?なんでペンダントがエミリアさんに攻撃を……?」
「魔法少女!ナイフをこっちに投げて!!」
「え、ス、スピカさん!?意識が戻ったんですね!」
「いいから、早く投げなさいッ!」

慌てふためく水鳥の投げたナイフを、リザは顔を突き出して歯でキャッチする。
そのまま仕込みナイフの仕掛けを歯で起動させ刃先を大振りにすると、ナイフの柄を歯で噛んだまま腕を拘束している触手を切り落としてみせた。
「す、すごい……!」
拘束されているとは思えぬ流れるような動きで自由を取り戻したリザ。その勢いのまま走り出すと、廊下でぐったりとしているエミリアの首元に素早くナイフを突きつける!
「ひ、ひいぃっ……!」
「……ヨハンじゃないわね。ヨハンはどんなときも怯えたりなんかしない……あなたは誰なの?」
「ふ、ふん……ここでこの体を殺してもエミリアが死ぬだけだ。術を解けば私は死なない……!」
「もう、目星は付いてる……ここで正直に言わないと、このナイフの刃先を生身の貴方の首元に突きつけることになる……!」
「ふ、ふん……!私の正体が貴様にバレるはずはない!さらばだ!」
その言葉が終わるとエミリアは力なく倒れこんだ。

(術が解けたようね。恐らくは隷属の刻印……体のどこかに刻印があるか、またはもう消えているかのどちらかね……)
カナンの言葉が聞こえたかのように、リザはエミリアのローブをたくし上げる。
先ほど拷問されている時に、エミリアの下腹のあたりに刻印があったのだが……
「……何もない……」
ハートの形をした刻印もルーン文字も、今は綺麗さっぱり無くなっていた。
(バレそうになったから、術を完全に解いたようね。ま、これで馬鹿魔力女が襲ってくることもないでしょ……)
パキッ……!
カナンが一息ついた瞬間、魔力を消耗したペンダントは半分に割れた。

233: 名無しさん :2017/04/02(日) 12:48:39 ID:???
「や、やっぱり強い……」
拘束された状況からナイフ1本で抜け出したリザの早業に思わず舌を巻く水鳥。
(王下十輝星で、私がアウィナイトの民の再興を願っていることを知っていて、ナイフを向けられた程度で怯む……エミリアに手をかけられるということは、今は城にいないカペラとベテルギウスは除いても構わない……そうなると自然と犯人は絞れてくる)
そして、リザは深く考え込んでいた。
(でも、これは消去法による推理でしかない。エミリアの王下十輝星にハメられたという発言だって証拠はない。アウイナイトの事は、アトラ辺りは言いふらしていても不思議じゃないし、王様は約束を守って、私が活躍してる間は保護政策を取っている。ということは、トーメント王国の政務官も知ってる可能性がある。
……考えたくはないけど、アウィナイトの民を拷問すればこの情報を手に入れることもできる。アウイナイトの件は意外と知られていても不思議じゃない)
消去法というのは、選択肢の中に正解があってこそ機能する。王下十輝星の中に自分を嵌めた者がいるという前提が無ければ、この推理は瓦解する。

(むしろ、操っているのにわざわざ自分の犯行だと明かしかねないことを喋らせる方が不自然。となると、私に疑心暗鬼の種を植え付けるのが目的と考えるのが自然……そう、恐らくは王城に紛れ込んでいるどこかの間者の仕業!)

深読みしすぎてずれた推理を脳内で披露しているリザだが、致し方ない話であろう。少し頭の固い所があるリザは、相手が勝手に自分の犯行をペラペラ喋るのにもちゃんとした理由を求める。他人の感情の機微に疎いリザは、気に入らない相手を甚振ってて調子に乗って口が滑ったということを思いつかない。
そしてそれ以上に、無意識のうちに王下十輝星の仲間が自分を嵌める訳はないという深層心理が働いていた。

(戻ったらすぐに間者の調査を始める……サキはそういうの得意だったから手伝ってもらおう)
「……ピ……ん」
(正体がバレたと見てもう逃げた可能性もあるけど……痕跡くらいは掴めるはず)
「スピカさん!聞いてるんですか!」
深く考え込んでいたリザの思考を、水鳥の大声が遮る。

「魔法少女……なに?そういえば、どうして貴女が私の仕込みナイフを……」
「だからそれを説明しようとさっきから呼んでるんじゃないですか!」
「……ごめんなさい、少し考え事をしていて」
「とにかくですね!洞窟の奥部で、クリーム色の髪と緑の目をした私と同じくらいの年の女の子が結界の核を破壊してくれて……」
「どうしてそれを早く言わないの!」
「ええ!?」
クリーム色の髪と緑の目をした少女……間違いなく先ほど見かけたドロシーを幼くしたような少女だろう。その少女が結界の核を破壊したことと、結界の様子がおかしいと言って邪術のライラが出掛けたこと。
リザの脳裏に、嫌でも一年前のことが浮かぶ。

「魔法少女!魔力切れならエミリアを連れてどこかへ隠れてて!私は洞窟の奥へ向かう!」
「ちょ、ちょっとスピカさん!?」
水鳥の声を無視して風のように走るリザ。

「もう、スピカさんは……あ、ペンダントが……」
ふと目をやると、道を照らし示してくれた光を放つペンダントは、真っ二つになっていた………。

234: 名無しさん :2017/04/02(日) 16:51:03 ID:???
(ぐちゅっ…ずぶっ!!……ぬる…ぐちゅる…じゅるるるっ…!!)
「っぐ…あっっ…く、ふぅ……!!」
…1年前と同様、ライラの父親はドロシーの幼い割れ目に強引に舌を突き入れ、処女膜を突き破り、その内側を思うさま蹂躙した。

だが、ドロシーは「前回」のようなあられもない悲鳴を上げる事もなく、抵抗して暴れたりもしない。
そんな事をすれば、無駄に邪術師を悦ばせるだけと、歯を食いしばって耐え忍んでいた。
…今のドロシークローンの肉体年齢は、人間でいえばまだ6~7歳。
未成熟な器官に無理やり異物をぶち込まれる痛みや異物感は、以前とは比べ物にならない程苛烈であるにも関わらず。

「……あら、随分おとなしいわね。あの時みたいに、もっとみっともなく泣き叫んでくれてもいいのよ?
痛い痛い。リザちゃん早く助けてぇ……って、ね」
「だ、だま、れ……私は、もう…覚悟はできてる。貴様のような外道は、リザが必ず、地獄に落として……ん、ぐうっ…!!」
全身から脂汗を流しながらも、気丈に言い放つドロシー。
だがライラへの挑発の言葉は、硬質化した父親の舌によって遮られてしまった。

(ザクッ……ぐちゅ……ぶちっ…ブチブチブチブチ…!!)
「あっ……っがああぁぁぁあ、っぐ、あぁぁああああああッッッ!!!」
長い舌が鋭利な刃物と化し、ドロシーの下半身の肉を切り刻んでいく。
そして周辺の肉や血管や神経を強引に引きちぎりながら、ドロシーの子宮は無理やり引きずり出されてしまう。

「ああ……コレよコレ。今までドロシーちゃんのクローンは何体も作ったけど、どんなに嬲っても、みんないまいち反応が薄かったのよね。
やっぱり『魂』というか…本物の意識が乗り移ってると、悲鳴のキレが全然違うわ。フフフ…」

「っっあ……ぐぶ………り………り、ざ……」
子宮を剥ぎ取られ、結界の核に心臓を汚染され…ドロシーは、再び意識を失った。
しばらくすれば肉体が変質し、再び『魂縛領域』が森全体を覆うことだろう。

「ドロシーちゃんのおかげで、私のクローン研究は完全なものに近づいたわ。
後はリザちゃんの身体さえ手に入れば、『アウィナイト量産計画』が……ッ…っぐ…
ドロシーの子宮を手に、館に引き返そうとしたライラ。だが……

「…身体が…痛い…!?…」
…急に全身に激痛が走り、その場にしゃがみこんでしまった。その時、ライラの頭の中に声が響き始め……

(クククク…ライラ。私の可愛い娘…慌てる事はない。結界が壊れたせいで、
死んだお前の魂は、その身体に留まっている事が出来なくなっている…それだけの事だ)
「お……お父様……!?…じゃ、じゃあ……私の命は、もう…」

…ライラは今まで勘違いをしていた。
…愛する父親の身体を自分の中に取り込んだと思っていた。主導権を握っているのは自分だと。
だが実際は…
(私の可愛いライラ…お前の子宮はとても美味だったぞ。その頭脳は私の研究を大いに進歩させ、血肉は我が身を生かす糧となった。
その上等な『入れ物』ができるだけ長保ちするよう、『魂縛領域』を張らせていたが…そろそろ潮時のようだ)
「う、嘘……嘘よ……私は、お父…様を愛して……お父様を死なせないために、結界を…」

ライラは必死に記憶の糸を手繰り寄せる。だがそれは『何者か』に植えつけられた偽の記憶。
突き詰めれば簡単に矛盾や綻びが顔を覗かせ、ライラの混乱をますます加速させていった。
「私の……私の愛していた、本当の、お父様は…」
(クックック…あの情けない男の最期なら、お前も見たはずだろう?
自分の娘の子宮を貪り喰われる様を目にして、無様に狂い死ぬ姿を…)

「…いっ………イヤあああぁぁぁっ……!!」

235: 名無しさん :2017/04/02(日) 19:51:07 ID:???
「い、いやぁ…私、死にたくない…助けて、お、お父様………
でもコレは、お父様を殺した、アイツで…うあぁぁっ…!!」
(クククク…だが、お前の命はもう少しだけ保たせることが出来るだろう。
…そして、新しい『娘』…アウィナイトも、間もなくここへやって来る)

「り…リザちゃん……そうだ……リザちゃんさえ、手に入れれば……」
(クローン技術を使えば、結界を張らずとも新鮮な『娘』が無限に手に入る。さあ、もう一度記憶を戻してやろう…)
『父親』の舌先がライラの首筋を這う。その先端から、細長い触手が何本も伸び、ライラの耳の穴に入り込んだ。

(くちゅ……ちゅく……チキチキチキチキ…)
(アウィナイトを手に入れるんだ、ライラ…それがお前の、『私の娘』の、最後の仕事)
「は、はい……愛しています、お父様…」
(いい子だ。クックック……)

ライラの父親…いや、父親に成り代わっていたのは、魔物と化した邪術師『かつてのヴェロス』。
優秀でまっとうな研究者だったライラの父親を惨殺し、娘であるライラの記憶を改竄、身体を乗っ取った。
そして今は、ボロボロになったライラの身体を乗り捨て、今度はリザの身体に乗り移ろうとしている。
(アウィナイトの子宮を、うっかり喰ってしまわないよう気を付けないとな。
クローン量産さえ成功すれば、後はいくらでも食べ放題になるのだから…)

その後は…かねてからの『王の誘い』に乗り、森を出て城付きの研究者となるつもりでいた。
表向きは王に捕らえられた事にして、この屋敷と同等の研究設備を、密かに提供してくれるという。
…そしてもちろん、新鮮な『研究材料』も。

そしてライラも、度重なる記憶の改竄、そして全身を襲う激痛により、今や完全に正気を失っていた。
「リザちゃんの身体…手に入れる……私が、リザちゃんになるの…フフフフ……」

結界の周囲に積まれていた、大量の魔物の死体。ライラはそれを次々と取り込んで……
……絶望と苦痛で穢され続けた魂は、人とは言えない何かへと変質していく。

  • 最終更新:2018-01-27 02:46:48

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