07.06.王と女王

19: 名無しさん :2017/01/04(水) 17:45:52 ID:???
鏡花以下、ルミナスの魔法少女たちが王城へ向けて砲撃を加える。
待ち伏せしていた王の兵隊…当然のようにこれも魔物化している…には、近接戦闘に長けた者たちが応戦していた。
「A班、そのまま砲撃続けて!B班は引き続き橋頭保の確保!…C班。ここを陽動にして、城に突入します…!」

自ら突入部隊に加わるため、砲撃の列から離れた鏡花。
城への潜入ルートは王都の地下下水道…真凛が命がけで調べてくれた道だ。
下水道の構造は複雑で、その全容を把握している者はいないと言うが…
例えまた敵が待ち伏せていようと、全て倒して進む覚悟だった。

……

一方その頃…海で魔物に襲撃された魔法少女たちは、王都イータブリックス近くの沿岸に流れ着いていた。
女王の稲妻の魔法によって、魔物たちは殲滅され…魔法少女たちは逆に魔力を注入されて蘇ったのだ。

「けほっ…けほっ…うぷ………あれ、私…確か、海に落ちて……」
「カリンちゃん!…気が付いた…よかったぁ……人工呼吸って初めてだから、自信なくて…」
「……フウコ…?…え…人工、…って…!!!…ちょ!あんた!まさか!」

「お、生きてたなカナヅチルーキー…これから、動ける連中で王都に攻撃を仕掛ける…お前らはどうする?」
「行くに決まってるわ!…この『魔法少女ブレイジングベル』が、やられっぱなしのまま終われるもんですか!」
「わ…私も行きます!…弟の仇が目の前にいるのに、じっとしてるなんてできません…!」
「はいはい。元気があって大変よろしい…アタシもいっちょ、先輩らしいとこ見せてやらんとね…」

……

「6時の方角から砲撃!3時の方角、飛翔体多数接近!12時の方角、これは…海から上陸したルミナス軍が街に侵入しました!!」
「うわー…いよいよヤバいねこりゃ……ワタシは邪魔にならない様、ドロンさせてもらいますか、っと…」
「その必要はないよ、エスカ。…既に大勢は決した」
「え?……王様…!」
…レトロな風呂敷包を背負って9時の方向から城を出ようとしたエスカは、自室を出た所で王に呼び止められた。

「…向こうの女王が、自ら兵を出して援軍に駆け付けたらしくてね。
さっき城の兵器庫がまとめて吹っ飛んだのも、彼女の爆撃魔法だ…いや実にヤバい威力だね!コマ●ドーかっつーの!」
「マジですか!?…ど、どうするんですか…そんなのまともに喰らったら、いくら王様でも…」

王都の誇る魔法障壁も、魔法王国最強…すなわち世界最強の魔導士の前では役に立たなかったらしく、
王の間の天井や壁もきれいに吹き飛んでいた。
茜色の太陽光がダイレクトに目に飛び込んできて、煙の匂いを伴った冬の夕風が身を突き刺す。

「…だーから大丈夫だって。連中の敗因は、部下を信用しきれずに総大将がノコノコ前線に出てきてしまった事…
あとはトップさえ倒してしまえば、この戦いもゲームオーバーさ」
(それって、他人の事言えないんじゃ…)

「その点俺は、部下の事を信用している…特に、王下十輝星・フォーマルハウトのエスカ…
直接剣を取る事はなくとも、この戦いにおける君の功績は計り知れん」
「いやいや、それほどでも……(つーかやけに話長いな…さっさと逃げたいんだけどな)」

王の言葉を聞き流しつつ眼下の城下町に目をやると、多数の火の手が上がっているのが見えた。
王都を守る(という名目で略奪の限りを尽くしている)改造魔物兵と、
侵攻してきた(と思ったら略奪する魔物に出くわし、見るに見かねて助けに入った)ルミナス軍の戦いが散発しているようだ。
女王の増援を得た魔法少女たちの士気は高く、ここまで攻め入ってくるのも時間の問題だろう。

「…というわけで、君ならこの事態を収めることが出来ると信じている!頑張ってくれたまえ」
「はいはい。わかりました……って、え?…ちょっと待……え!?」

「そこまでよ!全員動かないで!」「トーメント王、神妙にしなさい!」
「魔法王国ルミナス第5代女王、リムリット・シュメッターリング・ルナ・ルミナスここに推参……年貢の納め時じゃのう、狂王」

「…ほらー。キミがグズグズしてるから俺、逃げ遅れちゃったじゃーん。」
(それはこっちのセリフだああああ!!!)

20: 名無しさん :2017/01/04(水) 18:47:54 ID:???
「…ようこそ、女王陛下。一度お会いしたいと思っていたのですよ…そして、私はしたいと思った事は必ず実行に移すタイプでね」
(さっき私に押し付けて逃げようとしてたくせに! さっき私に押し付けて逃げようとしてたくせに!)
玉座に座りなおし、威厳たっぷりに振る舞う王。心の中で突っ込みを大事なことだから2回入れるエスカ。

「能書きはよい…貴様のこれまでの悪行の数々…加えて此度に至っては、城下の無辜な民草を魔喰蟲の餌にし、
挙句の果てに魔物への改造とは…断じて許すわけにはいかぬ」
「魔物の改造は希望した者だけですよ…魔法少女をヤれるって言ったら応募者が殺到したもんで。ヒヒヒ」

聞くも恐ろしい悪行の数々を、女王は裁判の冒頭陳述のごとく列挙していく。
王はそれを悪びれもせずへらへらと聞き流す。
一触即発の空気が場を支配する中……女王の声を遮るように、王が口を開いた。

「…陛下はワタシの事を随分よくご存知のようだ。だがワタシも、貴女の事は少々調べていましてね…例えば」

「ルミナス軍の先発部隊と増援を合わせた軍勢は約6千、特に先発5千は精鋭中の精鋭。戦隊長は金色の魔法少女リフレクトブルーム」
「まだここには着いておらんな…それがどうした」

「リムリット・シュメッターリング・ルナ・ルミナス…魔法王国ルミナス第5代女王で、圧倒的な魔力とカリスマを持つ実質世界最強の魔法少女」
「さっき名乗ったであろうが」

「女王陛下の留守を預かるのは、王国ナンバー2のウィチル・シグナス。
魔法の実力のみならず実務能力にも優れ、秘書として陛下も全幅の信頼を寄せておられる。遠征中は王国の全権を委任されている」
「…何が言いたい」

「陛下のかぶっておられるその帽子は『聖なる闇<セイクリッドダークネス>』。
王国創設者が作り出したと言われる伝説の魔帽で、かぶる事で持ち主に膨大な魔力を与えると言われている」
「……付け加えるなら、帽子を奪おうと思っても無駄じゃ。わらわの意思なしでは脱がせる事はできぬ」
だんだんと苛立ちを露わにし始める女王だったが…

「だが魔力云々の話は対外用のブラフ。貴女の魔力の真の源は…ルミナスの王城地下に安置された
巨大な魔石『セイクリッド・ストーン』で、帽子はそこから魔力を受信するためのアンテナに過ぎない」
「……!!」
…ルミナス国内でもごく一部しか知らない最高機密を王が口にした瞬間、表情が凍り付く。

「今まさに、その場所へと近づいている者がいる。警備の兵は見知った顔なのでノーチェック。
仮に怪しんだとしても、全権を委任されているので通さないわけにはいかない」
「待て…一体、何の……」
そしてだんだんと、女王の顔が青ざめていき………

「魔石が失われれば、女王陛下はただの子供。そもそも今でさえ、秘書である『彼女』がいなければ公務さえままならない」

「公務のスピーチの類は全て『彼女』が事前に考え、陛下はそれを丸暗記。今回の遠征前の演説もそう」

「夜中に怖くてトイレに行けない時も『彼女』に付いて来てもらっている」
「ニンジンとピーマンが食べられず『彼女』にいつも怒られている」
「二人きりの時は玉座の上で抱っこしてもらうのが好き」
「おねしょのペースは4日に一回」
「今日のパンツはパンダさん」

「いやああああああああああぁぁああああっっっっ!!!!」

「『彼女』の名はウィチル・シグナス…その正体は」

「…トーメント王下十輝星の一人。『デネブ』のウィチェル」

……ぶつり、と何かが切れるような音がして……女王はその場にがっくりと膝をついた。

21: 名無しさん :2017/01/06(金) 01:54:52 ID:mlh7i4mw
「えーーーーーーー!?!?!?」
「う、嘘よ…!純粋魔力では5代目様を凌ぐ魔力を持つウィチル様が、トーメント王国のスパイだなんて…!」
「ご、5代目様…!しっかりしてくださいっ…!」
「ガハハハハ!我が国のスパイは世の中を舐めてるクソみたいな歌を歌っていた魔法少女スパイよりも遥かに優秀だということだ…ん?なんだ今の声は?」
王が素っ頓狂な声がした方を見ると、エスカがフードの中で目を丸くしていた。
「で、デネブの星位はまだ決まってないと思ってましたよ…ちゃんといたんですね!」
「…今の十期星で1番新入りのエスカには教えていなかっただけだ。他の十期星はみんな知っている。」
「もー!なんでエスカにだけ教えてくれないんですかー!いきなりルミナスが攻めて来て無意味に焦っちゃいましたよ!」
あまり怒りを感じさせない声でプリプリと怒るエスカ。その声を聞いたリムリットは突然何かに弾かれたように顔を上げた。

「そ、その声はまさか…あなた様は…!」
「…え?え、わたし?な、なに……?」
「ふ、フードを外して顔を見せてほしい…たのむ…!」
「い、いやですっ!わ、わたしの顔は片桐はいりにそっくりなんで、いやですっ!」
「そ、そこをなんとか…!」
しばらく押し問答を続けるリムリットとエスカの姿を、王はニヤニヤと見ていた。

「占い美少女エスカたんの顔が気になるようだが…いま自分たちがどういう状況かちゃんと理解してるのか?」
王はリムリットに懐から取り出したマジックハンドを向けて、カシカシと動かした。
「り、リムリット様!あいつのブラフである可能性もあります!早く魔法を!」
「あ、あぁ…フレイムバーストッ!」
ポシュンッ…
リムリットの翳した手から煙のようなものが上がり、そのまま何事もなく消えた。
「そ、そんな……!」
「けけけ……その帽子は選んだ人間のみに遠隔で魔力を与えるようだが、選ぶ人間を間違えたようだなぁ!」
ガシャン!!
「きゃあああああ!」「うわあああああ!」
王が叫ぶと、持っていたマジックハンドが突然巨大化し、リムリットの側近2人に襲いかかった。
アームの片方ずつに素早く少女たちを捉え、向かい合わせになった2人をマジックハンドの力で押し付ける!

ギシギシギシ…ギシィッ!
「くっ…あ、あぁっ…痛い……!」
「か、体が……壊れ、るぅ……!」
マジックハンドの圧力が少女2人の体の体を強い力で押し付け合わせ、ギシギシと音を立てた。
「ミント!ココア!……やめろぉ……!2人を話せぇっ!」
「嫌だね…それより今から面白いものを見せてやる。耳を塞いだほうがいいかもな……そらっ!」
王がマジックハンドを持つ手に力を込めた途端、身体中の骨が折れる音と共に魔法少女2人の大絶叫が響き渡った。
ボキボキボキボキィッ!!!
「ひぎゃあああああああああぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!!」
「ぐえああぁあああぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁあぁ!!!」

22: 名無しさん :2017/01/06(金) 20:33:01 ID:???
ものすごい圧力で身体中の骨を折られた少女たちは、そのままぐったりとして動かなくなった。
「見てろエスカ。これをこうしてこうすると…!」
巨大マジックハンドをもう1つ取り出した王は、骨が折れたぐにゃぐにゃの少女たちの手足を動かし絡み合わせていく。
「…よし!前衛的芸術作品の完成だ!」
「うわぁ…ただぐにゃぐにゃこんがらがってるだけじゃないですかぁ…せめてもうちょっと丁寧にしてあげればいいのに…」
王の作った作品は、2人の少女の腕や足がひん曲がった状態でこんがらがっているかなり哲学的な作品だった。
「ああぁっ……!ミントとココアがっ……!」
「あ……あ……リムリッ……さまぁ……」
「あぐぁ……からだ、が………ぉ……」
(うわぁ……腕も足もいろんな方向に曲がってて、どちゃクソ気持ち悪い……しかもなんか喋ってるとさらにグロッキーだなぁ……)
エスカはこみ上げる吐き気を抑えつつ、絶句しているリムリットを見つめる。
(うーん、この子もどっかで見たことあるような気が…?)

「さてさて、後に残ったのは1人じゃ何もできないお子様女王様か。俺様の城を無茶苦茶にしてくれた罰はどうしてくれようか……」
ポキポキと指を鳴らしながら近づいてくる王。それを見たリムリットはすかさず後ずさった。
「ひぃ……!よ、よせぇっ!わらわに手を出せば、ルミナスと同盟を結んでいる国たちがお前を全力で潰しにかかるぞっ……!」
「ふん。だからなんだ?たとえそうなったところで、このイータブリックスが落ちることはない。お前と違って俺さまは強いし、優秀な部下にも恵まれているからな。」
「くっ…や、やめろぉ…4代目様…助けてっ…!」
(…ん?今エスカを見て言った?)
恐怖でずるずると後ずさるリムリットの股間に、じんわりと染みが広がっていく。失禁してしまったのだ。
「……あ、お漏らししてる。も~くちゃいくちゃいですよぉ~」
「エスカ。お前が取り替えてやるか?」
「い、いやですっ!わたし子育てとかできないタイプの女なんで、いやですっ!」
「あ……ぁ……!」
ふざけた様子で会話をする2人を前にして、8歳のリムリットの精神が崩壊を始めようとしたその時だった。

「そこまでよっ!!!」
勇ましい声とともに王たちのいる部屋に入ってきたのは、金色の魔法少女、市松鏡花…リフレクト・ブルームだった。
鏡花は長い黒髪と大きな胸を揺らしながら、王とリムリットの間に素早く着地する。
「ほぉ、貴様か…なるほど少しは遊べそうだ。」
「くっ……!よくもリムリット様を…!私はあなたを許さないッ!」
「許さないからなんだぁ?お前も俺様に恐怖してションベン撒き散らしたいってのか?ケケケケ!」
(王様…完全に悪役っぽくなるのほんとに上手だなぁ…)

23: 名無しさん :2017/01/07(土) 11:22:34 ID:???
「光の刃よ、敵を切り裂け!…シャイニングセイバー!!」

金色の魔法少女リフレクト・ブルーム…異世界から来た少女、市松鏡花。
実力はさっきの女王の側近の2人より数段上みたいだけど…

「ヒヒヒ!…遅い遅い…ルミナス最強の軍団長サマの攻撃はその程度かぁ?」
「えっ!?かわされ…っきゃああ!!!」
「ん~…この圧倒的ボリューム、瑠奈以上だな…しかも瑠奈のはプリッとしてて揉むと適度な弾力があったが、
こっちはまるでマシュマロみたいにフカフカじゃあないか…指がズブズブ沈んでいくぞ。感度もかなり良好と見た」
「や、やめて!はなしてっ…いやああ!!パンツ脱がさないでぇぇ!!」

あーいうのに免疫がないタイプか……相性が、最悪すぎるな。王様もここぞとばかりにねちっこい。

「お姉ちゃんを放せっ!!…スプラッシュアロー!!」

…遅れて乱入してきたのは、水色の魔法少女アクア・ウィング…鏡花の妹、市松水鳥。
だが姉があの調子だし、小学生の妹も…

「おっと…5年生にもなってキティちゃんパンツとか!ちゃんと初潮来てんの?おブラもそろそろ着けといた方がいんじゃね?」
「きゃああああああ!!!な、なんなのコイツーーー!?」
…推して知るべしか。「遊べそう」という王の予想は当たってたみたいだ。

それにしても気になるのは…
「も…もう……終わりじゃ……セイクリッド・ストーンが失われたら……魔法王国ルミナスは、二度と……」
そう…さっきの、ルミナスのナンバー2が実は十輝星で…って話。

「今のはヤバかったなー!もう少しで当たる所だったぜ…アセアセ。…おや?このハンカチ、キティちゃんの絵が描いてあるぞー?」
「…え!?…ちょっ…嘘でしょ…!?」
「まさか、今の一瞬で…!?……いくらなんでも速すぎる…なんて恐ろしい奴なの……!」

違うんだなー。いや、あれはあれでだいぶヤバいんだが、あの王の本当に恐ろしいのは…

「なーんだ妹ちゃんのパンツだったのか!仕方ない、返してあげるよ…俺がシコった後でよければな!」
「っ…!!!」
「どうしたのー?精液がそんなに珍しい?…なわけないか!さっき真凛ちゃんがベッタベタにされてたの見てるもんなぁぁ!?」
「こっ…のおおおお!!!!」

さっきの話が全部、嘘っぱちかも知れない、って所だ…。

24: 名無しさん :2017/01/07(土) 11:27:55 ID:???
魔法少女たちは、のらりくらりと攻撃をかわされ、魔力をいたずらに浪費し、焦りと疲労でますます動きが鈍っていく。
一方の王は、服の上からブラのホックを外したり、パンツ越しにお尻の穴に指を捻じ込んだり、調子に乗ってやりたい放題。
相手をさんざんおちょくり、虚仮にしまくり、とことん弄び、絶対的優位を印象付ける…過去に何度も見てきた、王の必勝パターンだ。

「さて。二人とも全身揉み解されて、身体があったまってきた所で…本格的に、嬲り殺しにしてやるよ。ヒヒッ…」
…王は両手にマジックハンド、両肩にもロボットアームを装着しての4本腕…私はこれを『虐殺モード』と呼んでいる。

ガコッ!!ドゴッ!!ドゴッ!!ベキッ!!…ドチャッ!!…ビチャッ!!
「きゃあああぁっ!!!」「うぐっ!!!」「っああ!!!」「…っ……」「……」
王は鏡花の片足を掴み、何度も何度も石床に叩き付ける。
最初の方は石の砕ける乾いた音。次第に、折れちゃいけない物が折れる音が混じり…
最後の方は、湿り気を帯びた破裂音…まるで水風船でも叩き付けるような…に変わっていった。

(ピーマンだのパンダさんだのは…私の占いから得た情報も含まれていたし……)

ぎちっ……ぎちぎちっ……ぐきっ…みしみしっ…!!
「お姉ちゃん! お姉……っ、っぐ、あぁぁああぁっ!!!」
巨大なマジックハンドが水鳥を持ち上げた。首と脚を掴み、身体を無理やり反り返らせる。
魔法少女の強靭な肉体、そして水鳥の身体自体も柔軟なのか、ほぼ180度…限界まで曲げられても「折れずに」持ちこたえている。
「ヒヒヒッ…さっきまでブチ切れモードで髪の毛キンキラ、DB並みに身体からオーラ出てたのに…
今じゃ髪の色も戻って単なるコスプレ同然、弱ってるのまるわかり。…魔法少女ってのはホント、遊びがいがあって最高だぜ!!」

(魔法の効果は術者のメンタルがかなり影響するから、さっき女王の魔法が不発だったのも魔力が失われたせいとは限らない)

…王は顔面が床に直撃して以降反応がなくなった鏡花を投げ捨てた。
そして水鳥の両足を掴み、股間をグリグリと踏みにじる。これはいわゆる…アレだ。
「やっぱ小学生には、この技に限る!…キ~ング…電気アンマ!オラオラオラオラオラアアア!!!」
「ひぃっ!?…あ、んんっ……そ、そこは…っ!…やめ、てっ…ひいいいいい!」

(そもそも最強魔術師の力の源を壊すなんてやり方、あの王様がやるとは思えん)

一度捕まれば、脱出はほぼ不可能。相手の反撃を完全に封じ、安全圏から一方的に急所を攻撃できる…
いかにも王の好きそうな技だが、これだけでは終わらない。

「ケケケケッ!!泣き、わめけ。もっとミジメに許しを請え…だが許さん。王に逆らった報い、その身に刻み付けるがいい…」
マジックハンドを床につき、電気アンマの体勢を保ったまま真上に大きく跳躍。そしてそのまま落ちてくる。
魔法少女である水鳥は空を飛べるはずだが、王の異様な迫力に心が折れ、それを考える余裕すらないようだ。

(あんなタイミングよく石が破壊されるのも不自然だし、デネブの事を聞いた時の王様のリアクションも…どうもアヤシイ。)

「キン~~グ………ヘルズ・ギロチン!!」
「イヤあぁぁぁあああああっっっ…ヒカリちゃあああん!!!」
落下の勢いに王の全体重を乗せた、強烈すぎる一撃。水鳥は股間を潰され、泡を吹いて気絶した。

(今さら考えても仕方ないけど、もしデネブの話がブラフだったとしたら…要するに王は、世界最強の魔術師を口先だけで屈服させた、という事か)
(力があるだけじゃ、王には勝てない…ましてやあの二人とじゃ、役者が違うというか…いいカモだな)

変身が解け、普通の人間に戻った鏡花と水鳥。ロボットアームに捕らえられて、もはや虫の息と言ったところだ。
異世界人である二人の運命を読む事はできないが、女王の側近達の末路を見れば、大方の予想はつく。

「はあっ……はあっ……こんな所で、終わりだなんて……」
「ヒカリ…ごめん…あなたの事…助けられそうに、ない…」

巨大な機械の手が閉じられていく…大量の血がびちゃびちゃと床を汚し、やがて…
「「っぎゃあああああああああああ!!!!」」
王都中に響かんばかりの断末魔。…まだそんな声が出せたんだ。と、思わず冷静に感心してしまった。
しばらく王の下についているうちに感覚がマヒして、近頃はこうした光景を見ても大して気にならなくなっているのだ…慣れって怖い。

(…しかしなんか、また聞き覚えのある名前が出てきたな。どこかで、聞いた気がするんだけど………誰だっけ?)

25: 名無しさん :2017/01/07(土) 18:03:52 ID:???
「さて、おチビちゃん。これでもう、お前を守るものは誰もいない…お仕置きの時間だ…ヒヒヒヒッ…!」

…そんなこんなで、世界の命運を賭けた最後の戦いが始まった。

魔法の使えない普通の8歳児…女王リムリット・なんとかかんとかに対し、
改造マジックハンドや特殊効果付きマントをフル装備して殴り掛かる王。

(どすっ!!ごきっ!!!ぐちゅっ!!どごっ!!!)
「いぎゃっ!!」「げひぃ!!」「んぼっ!!…ぎゃあああああ!!!」
「ごべ…ごべんなざい……ゆる…ひて…」
「え?あれあれー?なんであやまっちゃうの?まだゼンゼンちからいれてなぐってないよー?
ジャチボーギャクのおうをのぞくんじゃなかったのー?」
リムレットの赤紫色に変色したお腹を容赦なく蹴りつけ、嘲り笑う。

(うっわぁ…大人げねぇ~……)
そもそも戦意とかそういう事以前に、護衛の魔法少女4人が虐殺された時点で
リムリットは完全に泣きが入ってたというのに…

「い、いたい…いだいよぉ…助けて、ウィチルぅ…」
「ケケケ…かわいそうにな~…信じて留守を任せた腹心に裏切られるとは。お前の敗因は、安易に部下を信用しすぎた事だ…!」
(さっきと真逆の事言ってるし!! さっきと真逆の事言ってるし!!)
…思わず心の中で2回突っ込んでしまった。

「それにしてもその帽子、デカすぎて不釣り合いだな。俺が貰ってやろうか?ん~~?」
「……そ……それだ、けは……」
リムリットの帽子を無理やり剥ぎ取ろうとする王。だが先ほどリムリット自身が言っていたが、
女王の証でもある魔法の帽子は被っている者の意志なしには外せないらしい。

「…そうだなぁ。その帽子をくれるなら、あの4人を生き返らせてやってもいいぞ?
どうせもうオマエは魔法を使えないんだし、帽子ぐらいくれてもイイだろ?」
…女王の証を他人、それも戦争相手に差し出す…その事が意味するのは、
すなわちルミナス王国軍の全面降伏、全国民のあらゆる主権の譲渡。
だが、多分…事はそれだけでは済まない。
(こりゃ、さっきの予想は大当たりか……となるとあの帽子、絶対渡しちゃダメなんだけど…)

「………生きかえ、らせる…?……そんな…ことが…」
出来る。…そんなことが、王には出来てしまうのだ。
他人を、命を、「弄ぶ」…それが「王」の「チート」な能力。

「ロード・オブ・ロード(おお しんでしまうとはなさけない)…!」

  • 最終更新:2018-01-25 23:30:35

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