03.01.十輝星集結

187: 名無しさん :2016/12/17(土) 21:17:16 ID:dTVYMCQA
唯と瑠奈が再会を果たしているころ、アトラとシアナは2人の病室へと向かっていた。

「唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん…まずは身体中を荒縄で締め上げて、そのあと生爪を一本ずつ剥がしていって…」
(シアナがこうなるとめんどくさいんだよな…唯ちゃんもかわいそーに。こいつに目を付けられたばっかりに…)
アトラがやれやれと首を振ったとき、病院の廊下とは思えない甲高い声が響き渡った。

「アトラーーーー!!シアナーーー!!アイナが帰ってきましたわよーーー!!キャハハッ☆リザもいますわよー!」
「げっ!アイナとリザ…!戻ってきてたのかぁ…」
一人称をアイナというピンクの髪をツインテにしている少女は満面の笑みで2人に走り寄っていく。それとは対照的に金髪ショートで碧眼の少女の方は無表情を貫いていた。
「2人とも変わってなさそうですわねー!あ、アイナは変わったんですのよ!?アトラアトラ、どこが変わったかわかりますかぁー?もしわかったらメルティー◯ッスをプレゼントして差し上げますわよ?キャハ☆」
アイナはケラケラと笑いつつポーチの中からメルティー◯ッスの安納いも味を取り出した。
「芋味かよ…しかもわかんねえよ…うるさいとこもかわってないし、髪型も変わってないじゃんかよ…」
「もー!アトラはもう少し女の子をよく見てくださいー!それこそ頭の上から足の先まで!ほんの少しの変化に気づいてくれるだけでも女子は幸せになっちゃうんですからぁー!ねーリザ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おおう!?まるでアイナがここにいないかのように前を見据えて眉一つ動かさないこの反応…!久しぶりにこんな美しいシカトを見ましたわ!まさに10.0!!今年は金メダリストが多いと思っていたけれど、こんなところにシカト部門の頂点に燦然と輝く金メダリストがいたなんて…!」
「あーもーうるせーよ!大体なんで2人がここにいるんだぁ!?」
「王様が…緊急招集だって…」
「そうそう!アイナもリザも王様に呼ばれてここにいるんですのよ~!決して、決して、けっっっして!!!アトラに会いたくなってここにきたわけではないので、あしからず!」
アイナはキッパリと言い切ると安納芋味のチョコを個装から取り出して口へ運んだ。
「ふああぁぁぁ…!おいもの味とチョコレートのハーモニーが生み出す夢のような至高の逸品…!アトラに食べてもらえなくて残念ですわぁ…ふひひ…」
「いも味のチョコなんかいらねえんだよ…相変わらず変なお菓子ばっか食べてやがんな…」

「シアナ…どうしたの…?」
2人のやり取りを冷めた目で見ていたリザは、シアナの異常にいち早く気づき声をかけた。
「唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん唯ちゃん…」
「シアナ…シアナ!」
「はっ…!?リザ…?どうしてここに…」
「王様の…緊急招集…」
「そ、そうなのか…なんかうるさいなと思ったらアイナもいたんだな…」
「あともう1人…エスカも来るって…」
「ホント!?…王下十輝星を半分も招集して、なんの集まりなんだ…?」

188: 名無しさん :2016/12/17(土) 22:59:03 ID:???
「で?2人がここにいると衛兵から聞いて来ましたけれど、こんなシケた場所で一体何をしているんですかぁ?まさかこんな場所でハッテンするわけないですよね???」
「ハッテン?何が発展するんだよ。俺たちはさっき格闘場で戦ってた子達の様子を見にいくとこだよ。」
「王様のお気に入りの子たちなんだ。だから逃げられないように確保して…それで…フフフフ…」
「シアナ…なんか変…」
「まあいいですわ。アイナたちは先に王様のところに行っていますから、2人はとっとと用事を済ませてきてください!それではオッケーバブリーケツカッチーン!」
アイナは妙な捨て台詞を言い残し、どたどたと廊下を走っていった。

「はぁ…アイナは相変わらず元気だな…見ているこっちが疲れてくるよホントに…」
「シアナシアナ、リザのやつ結構大人っぽくなってたよな?ちょっと俺ドキドキしちゃったぜ…」
「はいはい。早く行くぞ…」

アトラとシアナが病室の前に到着した時、病室の前には医師と衛兵たちが慌ただしく動き回っていた。
「何かあったのか?」
「シアナ様!?それが…篠原唯と月瀬瑠奈の姿が見当たらなくなりまして…」
「な、なんだって?衛兵は何をやっていたんだ!?」
「篠原唯、月瀬瑠奈、どちらも体術の技術が高く…正直甘く見ていました…」
「くそっ…!唯ちゃん…!」
(唯ちゃん…荒縄で縛られて生爪剥がされなくてよかったな…!)

189: 名無しさん :2016/12/18(日) 02:38:04 ID:???
結局その後衛兵たちが院内を捜索するも唯と瑠奈は見つからず、アトラとシアナは王の間へと向かっていた。
「いくら衛兵が雑魚だったとはいえ、土地勘もなく警備をかいくぐって脱出するなんて…やっぱりおかしいぞ…」
「誰かが脱出を手伝った、とか?まあ逃げられちまったもんはしょうがねえし、トラバサミやら落とし穴やらでまた捕まえればいいじゃん!」
アトラは正直2人の行方などどうでもよかったが、シアナを元気付けようと肩をポンポンと叩いた。
「ほら、謁見室だぜ。シャキッとしろよ!」
「はぁ…アトラにそんなセリフを言われるとは…」

2人が謁見室に入ると、王は珍しく正装を着込んで王座に座っている。
その周辺には芋味のチョコを食べているアイナと、夕闇に染まる城下町の景色を眺めているリザもいた。
「よく集まった。王下十輝星の諸君。エスカはいつもの如く遅刻なので、このメンバーでとりあえず始めようか。」
「まぁ!あの人また遅刻ですの!?時間感覚が欠損していますわ!著しく欠乏していますわ!」
「まあまあ、彼女には後で私が伝えておこう…まずはアイナとリザの報告を聞かせてくれ。」
王に話を振られると、アイナは待ってましたと言わんばかりにぴょこんと跳ねた。
「承知いたしました!アイナの管轄であるカラザンの大都市では、即刻駆逐すべき愚かな貧民たちが勢揃いでしたのです!そこでアイナはスラムの愚民らがクーデターを起こそうとしているというデマをながーいながーいなっがーーーーい時間をかけて真実にし、結果町の有権者たちによってスラムの愚民共はネズミ一匹残さず根絶やしにしたのですーーー!わー!パチパチー!」
話し終わったアイナは1人でピョンピョンとうさぎのように跳ねながら手を鳴らした。
「あの街は私の権力もあまり及ばない場所だったからな…首尾は上々のようでなによりだ。これからも選民思想を植え付ければ我が国の傘下となるだろう…で、リザの方は?」
「…はい。私の管轄のニムルベルクでは、王様に害をなすレジスタンスたちが集まっていました。諜報員を使って内部の情報を撹乱し、レジスタンスのリーダーであった男を私が暗殺。その後もしぶとく活動は続いていますが、残党狩りもまもなく終わる予定です。」
「上出来だ。さすが暗殺のプロだな。その調子で他のレジスタンス共の処理もお願いしよう。」
「…はい。…喋り疲れましたので、しばらく発言は控えさせていただきます。」
「えっ!?これだけで!?じゃあアイナはどうなっちゃうの!?もしアイナがリザと同じバイタルだったら、きっと今頃は死すらも超越し世界線を超えてパラレルワールドが渦巻くアトラクタフィールドの収束する特異点に到達しているかも…!きゃー!」
「あーうるせー!なんでそんなに口が回るのか不思議でしょうがねえよ…」

「で、王様。僕たちを集めた理由は…?」
「うむ。今一度私の目指す世界についてと、君たちには新しい任務を与えようと思ってね。まあそんなに長くはならないから、気楽に聞いてくれたまえ。」
「あ、じゃあ俺寝っ転がっててもいいすか?足疲れちゃって…」
「バカ!ガキじゃないんだからちゃんと立ってろよ!」
「構わないよ。どんな体勢でも聞いてくれるなら好きにしたまえ…」
王はそういうと、ここからが本番だと言わんばかりに身体を前へ倒した。

「君たちを始めとした王下十輝星の活躍により、私の選民思想は人々の心のなかで大きく成長しつつある…これは感じているかい?」
「そうですね。貴族たちは奴隷制の導入に向けて積極的に動いていますし、身分の低い国民たちは危機を感じているのか、他国へと亡命している者もいるようです。」
「他国にはゴミを押し付けてしまってはいるが、私の国には不要の愚民共だからな。今はあまり考えなくても外交問題に発展する規模ではないだろう…増えすぎた人口を減らすには、ゴミを掃除するのが1番だ。」
「格闘場や王様の撮るビデオも、国民たちに影響を与えています。弱者は強者に蹂躙されるという、王様の選民思想が…」
「まあビデオは趣味ということもあるが…格闘場はそのための施設だ。選ばれし者たちだけで国を作る…この国はいささか豊かになりすぎて、ろくに働きもしないくせに食料を食い潰すバカが増えすぎた。その穀潰しどもの愚行をゆるやかに終わらせるために、君たちには尽力してもらっている…というわけだ。」
「王様~アイナはもうそんなこと知ってます~!そろそろネイルの予約時間が迫ってるので、巻きでお願いできますかぁ~?」
アイナは暇そうにツインテをいじりながら、人差し指をクルクルと回した。
「お、おいアイナ!王様に向かってなに言ってるんだ!」
「まあまあ。もう少し話したいこともあったが、それはまたの機会にしよう。新しい任務のことについて話そうか。」
「まったく…王様はどうしてこいつらにはやたらと寛大なんだ…?」

190: 名無しさん :2016/12/18(日) 02:39:54 ID:???
「新しい任務は、ツーマンセルで動いてもらう。アトラとシアナ、アイナとリザのツーペアだ。」
「えー!王様ぁ…俺、リザとがいい…!」
アトラは寝てきた身を起こし強い眼差しで王に嘆願したが、王は首を横に振った。
「君たちの戦闘能力を考えてのこの組み合わせだ。すまないが受け入れてくれたまえ。」
「えー!…まあシアナと組めば敵なしだけどさ…」
「リ…リザはアイナの話し相手になってくれるのか、そこが問題ですわ…」
「…うるさすぎないのであれば、少しだけ。」
「ぶっとびー!アイナ初めてリザちゃんのデレを見ましたわー!きっと明日は雪、いや雹、否!ナイフの雨が降りますわよおー!キャハハハッ☆」
(まぁ…アイナと一緒じゃなかっただけマシか…)

「で、2組に分かれてどんな任務を?」
「そろそろ、私のやり方が気に入らないという輩も増えてきていてね…まあそいつらは大抵立場の弱い駆逐するべき国民たちなのだが…意外と異能力者も揃ってきて侮れなくなってきたのだ。」
「なるほど!そいつら全員ぶっ飛ばせばいいんだな!」
「まあ端的に言えばそうだな。ヒットマンとして国に仇なす者共の排除をお願いしたい。美女は捕まえて私のところに持ってくるようにな…!」
「もー!王様こわーい!アイナも今は子どもだけど、いつかは王様にいじめられちゃうのですかぁー?ブルブル!」
「君たちには手を出さないよ。私の優秀な手足だからね…あ、そうそう。病院から脱走した2人と、地下闘技場から脱走した白銀の騎士たち…あいつらは異世界から拉致した貴重なサンプルだ。優先しなくてもいいが、見つけ次第連れてくるように…ククク…」

こうして王とその配下である王下十輝星たちは、選ばれし国民たちによる国造りの発展に向け、静かに動き始めた。
その流れは、必ずどこかで正義の心を持つ少女たちと相見えることになるだろう──

191: 名無しさん :2016/12/18(日) 10:43:57 ID:???
「ところで…私は何すればいいの?」

「エスカ!いつの間に!」
「今北産業」

・王様サイドに新キャラ登場!その名も『王下十輝星』!
・お前ら任務だから2人組作ってー
・反乱分子はツブせ! 当然女の子は捕獲な!

「…え、十人もいるの!?多くない?」
<『フォーマルハウト』のエスカ…運命を読む能力者 その能力ゆえに発言がメタい>

「そこから突っ込むのかよ…ていうかお前もその一人だろ」
<『シリウス』のアトラ…空間に自在に罠を仕掛ける能力を持つ>

「やっと終わったと思ったのに…はやく唯ちゃんを捕獲捕縛折檻拷問教育調教」
<『プロキオン』のシアナ…空間や物質に自在に穴を開ける能力を持つ>

「全く彼方って人は…相変わらずやりたい放題ですわね」
<『ベガ』のアイナ…淫乱ピンク髪のうざいツインテ 扇動・根回しが得意? おかしだいすき>

「…なんで遅刻したの?」
<『スピカ』のリザ…クーデレ金髪碧眼超絶美少女暗殺者かわいい>

「しばらく見ないうちにキャラ変わってる人がいるような」
「なんだか物凄い侮辱を受けたような気がしますわ」
「誰かが…ヘンな目で見てる」
「全部気のせいだ。ところで…エスカには『占い』をお願いしたい」
「反乱分子の能力者や女の子を探せって事ね。うけたまー」


「…では >>192 以降で、
名前、容姿、特徴、シチュなどを適当に募集させていただく方向でオナシャス。
既存キャラや過去if展開も応相談。十輝星サイドが返り討ちでリョナられる展開もアリ?」

「おいなんか勝手なこと言ってるぞ」
「アホ占い師がボコられる展開希望してやろうかしら」

192: 名無しさん :2016/12/18(日) 16:52:34 ID:SB9Nb3vc
「こらこらエスカ。王の私を差し置いて話を勝手に進めるんじゃない。ある程度先の未来が予知できるからといって、メタ発言は控えなさい…そういうことはメ欄にでも書けば良いしな。」
「りょーしょー。先がわかっちゃったら面白くないし、何が起こるかわからないのがこの物語のいいところってわけね。エスカ、覚えましたし。」
エスカは気だるげにそう言うと、頭の上に乗せていた水晶玉を懐にしまった。

エスカ──十輝星の中でフォーマルハウトの称号を冠する彼女は、常に紫のロープを纏っており髪型や体の様子を窺い知ることはできない。
その桁外れた占いの力で、ある程度先の未来を見通す力を持っている。
本人の談によると、見通せる未来の限界は翌日の終わりまで。完全な的中率は3割らしい。
ただ的中しないまでも、それに類似した未来の情報を高い確率で得ることができるという能力なのであった。

「エスカも相変わらずの変人ぶりだな…なんで未来予知できるのにいつも遅刻してるんだ?」
「しーくれっと。女の子は少しだけミステリアスな方が魅力的でしょ?アトラくん。」
「いや、遅刻して理由も言わない奴はミステリアスというより非常識だと思うぞ…」
「おったまげー!なんかアトラが至極真っ当なことを言ってますわー!先ほど全然変わってなさそうというアイナの発言は、180度の角度で前言撤回いたしますわー!」
「お、俺だって大人になってるんだからな!おまえらあんまバカにすんなよぉ!?」

「というわけで、戦闘能力の低いエスカは君たちのサポート役だ。敵の翌日までの動きを把握して、その情報を受け取った君たちに実行してもらう…あ、あと他の十輝星たちはみな遠方に赴いているので、支援は期待しないように。」
「支援なんて不要!アイナとリザちゃんのときめき輝く乙女パワーで、深夜枠アニメの監督からお声がかかるほどのスーパーな活躍をしてみせますわー!キャハハハッ☆」
「僕たちも大丈夫です。久しぶりに楽しそうな任務ですし、王様に良い知らせができるよう尽力します。」
「最近は王様の警護ばっかりで腕が鈍ってるかもしれないから、いい機会っす!がんばりまーす!」
「はあく。でもあまり私の力を過信しないように。いうても3割だからね。完全に外したことも少しだけあるし。そういうときは君たちの地力でなんとかするように。」
「…了解。」

「よし!じゃあ話は終わりだ。ターゲットの情報は追って連絡しよう。君たちの活躍に期待しているぞ…『イータ・ブリックスのために!』
「イータ・ブリックスのために!!!」
十輝星たちは声を揃えて敬礼をし、散り散りに謁見室を去っていった。

193: 名無しさん :2016/12/18(日) 20:34:52 ID:???
王と十輝星の会談が始まる、少し前のこと。

病室から脱出した唯と瑠奈は、衛兵の目を誤魔化すため患者用のパジャマから着替える事にしたのだが…
見つかったのは、大胆に胸元の開いたナース服だった。
タイトで短いスカートに、セクシーさを際立たせるガーターベルトとヒールの高いパンプス。
更には、やたら大人っぽい黒のランジェリー。
どう考えても、私達にはまだ早い!と思う唯と瑠奈だったが、いざ着てみると…

「…意外と似合うね、瑠奈」
「うるっさい!!…これ絶対、あのバカ王の趣味ね……最悪だわ…!」

「いたぞ!あそこだ!!」
「ナースに変装してるぞ!やったー!今夜はお医者さんプレイだー!」
(…しかも、パジャマ以上に目立ってるし!!)

「捕まってたまるもんですか!…瑠奈ちゃんキーック!!」
進行方向にいた警備兵めがけ、助走をつけてジャンプ。
黒い下着に目を奪われた警備兵は、空手黒帯の全力跳び蹴りをもろに喰らい吹っ飛んだ。

だが、当然ながら2人が脱走する事も想定内。どんなに逃げても衛兵達はしつこく追ってくる。
1階の廊下まで降りたところで、とうとう二人は追い込まれてしまった…

「どうしよう、瑠奈…反対側からも大勢来るよ…」
「挟み撃ちか…マズいわね…(こうなったら私が囮になって、唯だけでも……)」
「さっきからうるさいなー…何やってんの、キミ達」
「…あ、あなたは…?…」

病室から出てきたのは、紫色のローブに全身を包んだ人物…
声の感じからすると女性のようだが、髪型や体型などは窺い知る事はできない…

………

「えー?ナースさんの服着た脱走者?…さぁ。見かけなかったなぁ…」
(唯ちゃんと瑠奈ちゃんって言ったっけ…あの時、思わず庇った上に地下水路に続く道まで教えちゃったけど…)

<病院から脱走した2人…あいつらは貴重なサンプルだ。見つけ次第連れてくるように……>
(…って、さっき王様が言ってたなー。もしかしてマズかったかなー…ま、いっか)

謁見室を後にするエスカ。占いを得意とする彼女だが…

「ねえ。さっきは教えてくれなかったけど…今日はどうして遅刻したの?」
「え、えええと。リザ…ちゃん。なんか今日はやけにしつこくない?
 もうそんなの別にいいじゃない…ねえ、シアナ?」

「だね。もう終わったことだし…ところでエスカ、さっそく占って欲しいんだけど。僕の唯ちゃんが今どこにいるか」
「うああああああ」

…彼女自身の今日の運勢は、どうやら最悪だったらしい。

………

…巨大な王都『イータブリックス』の地下を縦横無尽に走る下水道。
長年にわたり増改築され、その構造は立体的で複雑怪奇。あの『王』でさえ、その全貌を把握してはいないという。

醜悪な魔物が住み着いているとか、狂科学者が怪しげな研究施設を構えているとか、
古代の秘宝が隠されているとか…妙な噂が絶えず、ちょっとしたダンジョン同然になっていた。

「さっきはあぶなかったね、瑠奈…紫ローブの人、エスカさんって言ったっけ…いい人でよかった」
「下水道に降りる道も教えてくれたしね…衛兵も追って来ないみたいだし、安全な場所を探して休みましょ」

安全な場所…この世界にいる限り、そんな場所はどこにもないのかもしれない。
それでも二人は手を取り合い、闇の中へと一歩を踏み出した。

  • 最終更新:2018-02-11 13:10:48

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